嬉しそうにフルーツヨーグルトを食べるなまえに小さく溜め息を吐く。…お前、食欲ねーの?口元にヨーグルトを付けておなかすいたと返ってきた。落ち着いて食えよ、きたねーな。そうは思ったが言わなかった。ティッシュで口元を拭ってやってから、台所借りるぞと立ち上がる。粥でいいか。消化良いし。
冷蔵庫のものは勝手に使った。…食うのあいつだし。何の気なしに携帯を開くと凄い数の着信及び受信メールがあった。うわ、全部鬼道クンじゃん。とか思ってたらまた電話がきた。仕方無いから電話に出る。耳にあてると怒鳴り声が聞こえてきた。ちょ、うるせえ。
「鬼道クンうるさい…何怒ってんの。は?学校?あー今日休むわ。…なまえ?ああ、あいつも今日休み。風邪だってよ。…今?ああそう、なまえの家。朝連絡来ててさ、ああ、…分かった。なまえにも伝えとく。おー、じゃあな」
電話を切るとなまえが足元まで這ってきていた。…お前、何してんの?どうやらヨーグルトを食い終わったから来てみたらしい。良いから寝てろよ。言いながらなまえが持っていた空の容器とスプーンを受け取った。
「なに、つくってるの?」
「粥。それなら食えんだろ」
「ん、おかゆ、すき」
じゃあ出来たら持っていってやるから寝ていろと追い返そうとすると、がしっと手首を掴まれた。…そのまま下へ滑り落ちた。何がしたいんだよ。…いや、力入らねーのか。手をつかんでそのまま背負ってやる。手ぇ熱いな、とか思ってたらなまえがしがみついてきた。今度は何だよ。
「あーくんのせなか、おちつくね」
「…引っ付くな、布団戻るぞ」
そのまま布団まで運んでやった。…にしても軽いなこいつ。
「あーくん、おかゆ、おかゆ」
「分かった、今持ってくるから寝てろ。そこ動くな、いいな?」
くそ、早くよくなっていつも通り騒いでろ。調子狂うじゃねえか、馬鹿なまえ。
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