(※会話文)



「…あいつほんとに仕事したのかよ」

「昨日はドリンク持参したよな」

「良かったな粉切らしてる事に気が付いて」

「ああ、さっき買い足しておいた」

「気が付かなかったらどうなっていたんだ」

「水だな」

「まあ別に自分の分くらい毎回持参でも構わないんだが」

「部費で買えるしなまえ本人が作るって言ってるしな」

「つーか無かったなら連絡すべきだろ」

「昨日はあれだろ?佐久間」

「ああ、昨日は仕方無い。水族館とはいえペンギンさんに会えるなんて楽しみでドリンクどころじゃなかったからな」

「お前のせいかよ」

「へえ、佐久間チャンは昨日なまえと水族館デートかよ?」

「違う!ペンギンさんとだ」

「……」

「佐久間はペンギンが好きだからなー」

「……」

「あ、おーいさっきゅん!昨日の写真プリントアウトしたの、いるー?」

「ああ!全部三枚ずつくれ!」

「はいはーい!あ、皆にこれ、おみやげ!私とおそろいー」

「…ペンギンストラップって」

「はあはあペンギンさん…!」

「…なあこのストラップ色付いてねえんだけど」

「あ、ぺんくんのそれ白ペンギンさんー」

「白ペンギンって」

「先輩、俺のは紫っスか?」

「んーと、うん赤紫ペンギンさん!紫ペンギンさんはちょっと色が綺麗じゃなくてー…」

「カラーバリエーション多すぎだろ」

「おいなまえ、何で俺がピンクなんだよ」

「あーくんピンク似合いそうだったから!」

「ハァ?」

「この間ね、ピンクが似合う男の子は格好いい、って雑誌に書いてたの!」

「…意味分かんねえよ」

格好いい、なんて誰にでも言うくせに。


BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -