「なんで、誰も見てなんかいないのに、頑張れるのかな」

「頑張ったって、誰も褒めてくれないよ。どんなに頑張ったって、結果が出せなきゃ、それは無駄なことって、見てもいない人に勝手に評価されるんだよ」

「結果を出すのは、難しいよ。結果っていうのは、もしかしたらやってもやらなくても変わらないんじゃないかって思えるくらいに、変化を拒むものだと思うんだ」

「最後には同じ結果に行き着くように、なっていると思うんだ。運命って言うのかな、やる前から世界は決まっている」

「ねえ、ぜんざいさん。なんで、あの人は、頑張れるのかな」

『…難しいことは分からんけど、』

『やらんで後悔するより、やって後悔したほうがずっとええと、俺は思うで』

『例えばお前がその人に話しかけてみるか、いつも通り素通りするか』

『それだけでも、少なくともその一瞬は、何かが変わるやろ』

『一回立ち止まって聞いてみればええやん。変化を拒んどるのは、お前やろ』