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「んじゃ。行って来る」

彼は今日もスーツを着て仕事へ向かう。
玄関を出る前にそう一言私に残して
家を出る。

いつみても彼のスーツ姿は胸がきゅーんとなるくらい
かっこいい。
スリムな体系にすごくフィットしていて彼以上にスーツが
似合う男なんているのかとバカみたいに錯覚するほど魅力的。

玄関が閉まり終わった後私は
「いってらっしゃい」と
遅れて一言。

これが今の私たちの距離だ。
”差”だ。”間”だ。

小さなテーブルに残った彼の食べ残しの朝食。

それをぼーと眺めて、数分前までは彼は
ここに座って一緒にごはんをたべていたんだなぁ。
と思うとすごく寂しさを感じてしまう。

「…もっと…一緒にいたいよ…」

まただ。駄目……。
今はまだ朝だし…。
いや、朝だから駄目ってそうゆうわけじゃないけど
自分の中で早いってゆうか…だから…

「…う…ガマン…」

他の事を考えてシたい気持ちを抑える。

まずは彼の食べ残しを片付けて、
あとはーー…洗濯とか…えーと…それと
あ。そうだ。
それが終わったら昨日とっておいたドラマ見て………。




……………………
………………
…………



時間が過ぎるのは遅かった。

もうすることもなくなって、本当に暇になった。
でもどこかに出かける気力もない……。
寂しさを紛らわしたい…。

少しスッキリするだけ…。

もう今は12:30だし、朝じゃない。
私はガマンした。十分頑張った。
だからいいよね。ちょっとだけ。

洗濯するとき彼の下着一着だけ洗わなかった。

私はその下着の匂いをかいで自分のトコロに手を入れる。

「ふ…ぅあ…ひぁぁぁ…」

何度もスるうちに自分の気持ちいいところは把握しているため、
そこを集中的にでもたまにじらして、

彼にそうされていると妄想して、

「あぁぁ…ふ…んんんん…きもち…」


ガチャ。


扉の開く音がした。
確実にした。
そしてその音と同時に声がする。
私の大好きな少し低い声…………。


え?え?え?
……ちょ…。やばい。

「ただいま―――――――………。」


彼と目が合う。

私は硬直したように動けなかった。

だって。だってだってだってさっ!?
恋人の下着の匂いかいで興奮してるんだよ…?
それを見られるなんて……
どうしよう。

この場から逃げ出したい…。


「…え?」

お互いに気まずい空気になる。
まあ当たり前だ。

「あ…の…ごめんなさ…」

ああ…泣きたい……。

「…お前…なにやってんだよ。」

「…………。」

「家に財布忘れたから、取りに帰ってきたら…
 え…え…?」

「……………。」

私は無言でいるしかこの場をうまく乗り切れない気がして
しゃべるのをやめる。
言い訳もしない。
あるがままを受け止めてもらうしかない…。

「…まあ…いいや……っ…とりあげず…えっとさいふ…」

床に落ちている財布を拾い上げると中を確認して
ズボンのポケットに入れる。

「………じゃ…」

そう言って家を出る。

私は呆然とし、
その後うずくまる。

嫌われた…。
絶対。もう嫌……
終わりだ。終わりだ。ほんとにもうだめだ。
私…気持ち悪い女だって絶対そう思われただろうな…

「もう…嫌だ…」






  





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