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それは生々しい音だった。

コンクリートに何かが思いきりぶつかるような。
でもいったい何が?
空から鳥でも落ちてきたのだろうか?


抵抗ぎみに後ろを振り返ると。

ぐしゃぐしゃになった人体がそこにはあった。

自殺……。
すぐにそれは察した。

その寂しい光景に言葉がでない。

足元を見ると。
見覚えのあるものが目に入る。


あの靴下は。



”これお揃いで買おうよ!”
”えー…靴下なんかお揃いにするの?”
”いいじゃん!いいじゃん!”


あの靴下は一週間前、あいりと一緒にお揃いで買った靴下に。


ひどく似ている。



けれど…本人かどうか…。
判別がつかない。
もう無残に木端微塵になっている。



「……ぁ…。」



きっと頭から落ちたのだろう。
脳みそが飛び出し血が大量に出ている。
骨も皮膚から若干出ていて、
骨はまだみちみちと音を響かせている。


「…………あ…んな?」



きっとそうだ……。

ただ大量の出血で無残な姿に変わり果てている。

ごぼごぼと流れ出す血はとうとう私の足元まで広がってきた。
血液は靴に染み込み妙な温かさが私の体を震えあがらせる。
そして胃液が突発てきにあふれ出し、嘔吐。
胃液の酸っぱさがとても気持ち悪い。

「………や……やぁああぁ……!
  …ごぷ…おぇぇぇ…げほっ…うげぇ…」




傍にいた友人は携帯で救急車を呼んでいた。


きっともう助からない。
これはもう即死だ。
もう死んでる……………。



こうなったのも…
全部私のせいなの……………?






ごめんね。あんな。
ごめん…………………。



  





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