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彼女が好きな奴はクラスで5番目くらいにかっこいい奴だ。

ちなみに俺を順位づけるとしたら、だいたい10位から15位ぐらいを
さまよっているフツメンだ。
いい忘れていたがクラスの男子人数は20人。

彼女がそいつのことを好きなことを含めて
俺は彼女のことを好きなはずなんだけど、
やはりどこか頭の隅のほうでは
嫉妬しまっている部分もないとは言えない。

だけれど、20位中5位のやつに勝てる気がしない。
なのでとりあえず、
彼女がそいつの話をいつも俺にしてくるので、
うんうんと耳の鼓膜を半分閉じながら聞いてやっている。


毎日のようにそいつのことを見ては
「かっこいい!」「ヤバイ!」と言うのでふつふつと嫉妬の炎がメラメラ…。
オレモ……彼女にカッコいいね。とか言われたい……
う……。
想像してみるとちょっと可愛すぎて死んじゃいたくなっちゃう。
なんてな。

嫉妬が押さえられない日だってある。
そんなある日。
その日も彼女はそいつの後ろ姿を見て赤面しながらカッコいいと言った。

「じゃあもう告ればいいじゃんか。」

と投げやりな言葉を投げてやる。
いつもならうんうんと静かに相づちをうち聞いてやっていたが今日は
そんな気分じゃなかった。今日は若干のスパルタだ。

「オレにはカッコいいカッコいい伝えられるのに、
 あいつには伝えられないんだ?ふーん…。
 お前の思いもそんなもんか。」

彼女はいつもと違うオレの態度と表情に驚いてぎょっと目を開いた。

少しの沈黙があって「もういいよ!」と彼女は口をとんがらせてオレを
置いて足早に去っていく。

一人取り残されたオレは静けさを感じた。
何を向きになってるんだオレ。と後から自分を責めた。

一人で下校するのは久しぶりだ。いつも彼女と一緒だったから。
なんだか隣がやけに寂しい。
空白があって落ち着かない。

オレはいつもより右に寄って歩いた。

明日、彼女に謝ろう。




  





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