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※ありりん様リクエスト
(財前)



今なら、恋はいいものだと胸を張っていえると思うんだ。
私は恋をしてから少なからず変わった。それは価値観なり女らしさなり色々。頑張って努力して振り向いて欲しくて、ぽつりと呟く彼の一言さえ逃さず話題を探す。話題がなくて話し掛けられないこととかもあったからうざがられたりせずになんとか安定したりして。それで、彼も私と一緒の時間が多かったんだ。

ただ、たった、それだけ。

私は幸せだった。人の関わりの温もりとか伝わらないもどかしさとかもし付き合ったらどうするんだろうとか色々考えた。考えたけど、何一つ答えはなかった。当然答えなんてないんだろうけど考えもまとまったりしなかった。

何が欲しかった?私は何でそれを考えたのか。答えがないというのはわかりきっていた。否、答えは多種多様であるのを理解していた。
夢まで出てくる彼に向き合ってまで私は何が欲しかったんだろうか。

「なんやねん、気持ち悪い」
「気持ち悪いとは……なかなか嫌なことを言いますね」
「ずっと黙ってばっかでどないしたん」
「心配する財前君はもっと気持ち悪いですね」
「真面目に答えんかい」

頬をつねられて、「いひゃい、いひゃいれふ」と抗議すると光は漸く私の頬をつねるのを止めた。

「白石の事、考えてた」

光は私に一途だった。私も白石が好きだった。けれどあまりの光の一途さに私は白石を諦めて、光を選んだ。

「好きか嫌いかって言われたら、まだわかんないんだ。光のこと」

酷い、女だよ、なぁ。私。
でもそんな酷い女に惚れた光も光なんだよって言いたい。

「今はゆっくり考えればええ。大事なんはこれからや」
「光が優しいと気持ち悪いですね」
「部長がどうの俺がどうのってグダグダ言っとる名前も気持ち悪いですよ」
「あははっ、光の敬語も気持ち悪い!」
「なんや、自分もやろ」

そうやって私を甘やかして、さぁ。焼いて食べても美味しくないのにね。
そうやって私は光に甘えていく。

あぁ、甘ったるくて気持ち悪い。




あぁ、気持ち悪いや
(胸やけするくらい幸せで、さぁ)




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捧げ物なのに気持ち悪い連呼してごめんなさい…orz
ありりん様、リクエストありがとうございました!