コンビニエンス・ラブ | ナノ

「ええええええ!!!!!」

謙也くんが、漫画みたいに後ずさりしてポケットから落としたボールを踏ん付けてこける。
かなり大きな声を出したから、白石くんとか財前くんとかラブルスって言われてた人たちとか、果てはオサムちゃんまで来た。

「なんや、謙也。どしたん…ってなまえさんやないか…!」
「どういう展開っすかこれ」
「誰か説明してくれへん?」

わらわら集まってこられて、私も何がなんだか混乱してきた。説明するもなにも、ん?
あれ、私、勢い余って告白しちゃった…って…ことです、か。

「ええええええ!!!!!!」

さっきの謙也くんに負けず劣らず大きな声で、私は咄嗟にしゃがみ込んだ。恥ずかしさでいたたまれないというか、私はなんてことをしたんだろう…!

「あのっ、そのっ…!」
「なまえさんが、俺でええなら」
「へ?」

見上げれば、謙也くんは目を逸らしながら頬を赤くして手を差し延べてくれていた。その手をとって、立ち上がる。

「謙也くんが、いいんだって」


私たちの恋は些細な出会いからだったけどそんな簡単なものじゃ終わらせないから。




(全力の恋、はじめました)





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