「……は?」
「いや、は?って傷つくだろうが…」
「あーすいません、でも呪いとか信じてないですしぶっちゃけオカルトとか興味が」
「呪われてるは言い過ぎかもな…でも狂ってるのは確かだ」
「スルーですか
えっ、村全体が狂ってるってそれどこの異界村」
「話し聞け」
「はい」
意外と辛辣でした
「呪われてる、狂ってるってのはつまり…事故とか殺害やらで死んでも絶対次の日生き返るからなんだよ」
「え…なにそれ怖い」
「まあそれが普通の人間の反応だよな」
橙色さんは悲しそうに笑いながら私を見た、普通の人間?どういう意味なの…
「普通は死んで終わり、だろ?けどな、ここでは寿命以外では死なない…死ねないんだ」
「死ねない?」
「死んでも生き返る、こんなことが日常茶飯事だったら村の奴らはどう考えると思う?」
冗談だと思って聞いていたのに橙色さんの顔はさっきとは比べ物にならないくらいとても真剣で絡んだ目線を逸らすことができなかった
「…殺人が起きてもだれも捕まえようとしない、友達が死んでも…なんとも思わない。命を粗末に扱うようになる」
「そう、当たり
俺が初めてこの村に来たとき…友達の死骸の前で佇んでる子を見た。俺は驚いてその子に話しかけたんだ」
「おい、大丈夫か!?どうした?何があった!」
「何もないよ?友達が逝っちゃっただけ、それよりお兄ちゃんだあれ?」
「何もないって…目の前で友達が死んでるんだろ!?何でそんな落ち着いて…!」
「だって生き返るもん」
「…生き返…る…?」
「うん、明日になれば生き返る、この子が今日早く死んじゃっただけ。明日はまた一緒に遊べるよ?ねえねえ何でそんな当たり前のこと聞くの?」
「正直言うと友達を目の前で亡くして頭がおかしくなったんだと思ってたよ
でも違った、次の日広場でその子と亡くなった友達が楽しそうに遊んでたんだ。その日は冷や汗が中々止まらなかったよ」
「……」
「生き返るのは村にある大樹のせいらしいんだ、俺は神様ってのを信じてないがそのカミサマとやらが娯楽の為に大樹に力を与えたんじゃないかって考えてる」
人生を無理矢理変えてしまうなんておかしい、確かに事故とか殺人にはあいたくない
だけど寿命以外で死なない体を持ってしまえばその事を悪用する人間が出てくるに決まってる
「変な村…早く帰りたい」
「ん?この村からは出れないぞ?」
「」
「(言葉になってねえし…)百面相するなって、この村には入れる…迷い込むってのが正しいか?まあ、迷い込むことは出来ても出ることはできないんだよ。」
「え、じゃあ私にどうしろと?そんな毎日がサバイバルな村で一生涯を過ごせと?というかどこで寝泊まりすればいいんですか!」
「ここに住めばいいんじゃねえ?」
「は?へ…え?」
「と、いうことでよろしくな!」
(ところでお前名前何だっけ?)
(おま)
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