ふわふわしてる
あ、いや頭がふわふわしてるわけじゃないよ?
頭じゃなくて身体が
何というか、ふかふかのベッドに寝てるみたいな…え?でも私地面で寝てるは
「んー………ん?」
ず…
私、ベッドに寝てる
冷や汗を数滴垂らしそうになりながら頭を動かしこの部屋を見渡してみる
清潔感たっぷりの白と相対の黒を貴重としたモノクロの落ち着きある空間…
いくら落ち着きある空間でもいきなり見知らぬ部屋のベッドで寝ていて落ち着ける人間がどこにいる?
いるわけがない
困惑しながらもベッドから降り裸足のまましっかりと部屋の床を踏む
ドアは1つ、一般的な木製の扉だ
窓はベッドの頭上に1つと右に1つ
照明は普通の蛍光灯
「いたって平凡な部屋だけど…何で地面じゃなくてベッドで寝てたの…」
疑問を抱えてドアに近づきドアノブをゆっくり捻ると鍵がかかっていた…
なんてことはなく
「ひ…開いた」
あっさり開いた
「あ、起きたんだな!よかった…」
「…はい?」
開いたのは開いたけど
ドアの先にはご飯をのせたお盆を持ってにこりと嬉しそうに笑う橙色がいた
「ほら早くベッドに戻って、飯持ってきたから食べろよ」
「え、は…はい…」
いい人オーラ満開で言われちゃ断るわけにもいかずすごすごとベッドに戻りお盆を受け取った
「お前森の中で倒れてたんだぜ、あそこは野犬とか妙な生き物が沢山いるから“ここの村の奴ら”は誰も近づきたがらないんだ
もし誰かに見つけられなかったらどうなってたことか…」
「へー、ほひょのむひゃ…?」
お盆に乗っていたお粥を頬張りながら訪ねる
「あー…っとまず食い終わってからな」
怒られた
そういえばこの人肘から先が…
「ふー…ごちそうさまでした。で、さっきの事なんですけどここの村って?」
「ここの村は…呪われてるんだよ」
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