幸せのあとに | ナノ
「折原くんてさ、かっこいいよな」

「え、どこが」

「ちょ、名前ありえな!あの近づけない感じがいーんじゃん!」

「そんなこと私感じないしなぁ」


くそ、幼馴染め!という友人の暴言とも取れる言葉をスルーして私はいつも持参しているペットボトルに入っているお茶を飲んだ。のどの渇きはなくなり、次の授業も頑張ろうと思えてきたのはやっぱり水分の力であってやっぱ水って凄い、なんて。


私の臨也への気持ちは幼馴染以上なのかもしてれない。いや、そうだとして。今まではかっこいいだとかそんな気持ちは何故か出てこなかった。どちらかといえばそう、触れたい、とかとても他人には言えないようなわがままで、自分勝手な気持ちだった。


「でもさー、折原くんって女の子をとっかえひっかえじゃん?あたしには遠いわー」

「そう?臨也は自分の想像に反するような行動をする子が好きだと思うけど」

「それはあたしがそうだってことか!え、その笑顔なんか嫌ー!」


臨也は変な子が好きだ。いや、人間そのものが好きだとかそんなことを言ってた気もする。人間が好きで、しかも愛しているらしい。中には除外者もいるらしいけど。あたしはその変なこの中には言っているのかな、だからこうやって幼馴染でいられるのかな。でもそれは大人数の中の1人としての私であるわけで、それが嫌になって。

“幼馴染”そのカテゴリーが臨也の中にあるとして、その中に入っていたら私はそれだけで幸せだった。前は。むしろそれ以上を考えたことはなかったのに。


「確かに、臨也は面白いヤツだけどね」

「…名前ってさ、折原くんのこと喋ってるときすごく顔がゆるんでいること知ってる?」

「え、嘘。、ありえないでしょ、そんなの」


普段はあまり臨也のこと考えないようにしていた。だって臨也はただの幼馴染であってそれ以上ではないと決め付けていたから。でもこれからはどうやら違うみたい。決め付けていたものが反対の意味への確信へ。もう無意識ではいられないのだ、そう思った。

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