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「君が幸せなら、それが僕の幸せなんだ」

6月の梅雨真っ盛りの雨の中、私はお気に入りのピンクの傘で雪男くんは黒の傘を持っていた。雪男くんは制服も黒だから全身黒で、なんだかそこだけ色彩が失われたみたいでなんだか私はおかしいような気持ちがしてくすり、と笑った、そんなときだった。

「どうしたの、雪男くん。私は雪男くんと一緒にいるだけで幸せなのに」

「じゃあ、それが僕の幸せなのかな」

「…急にどうしたの?変な雪男くん」

むす、と唇を突き出してみたらごめんね、と頭を撫でられた。雪男くんの大きな掌は程よくあったかくて、とても優しいものだった。

『あなたが幸せなら、私も幸せなのよ。』

私の言葉は雨の中に解き放たれて、そのままあなたに届かずに消えた。

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