Episode002:【Chapter02】おいなりさんを食べよう!
『これ以上アイテムを持てません!』
ビズギナルギツネを何頭狩ったのか、既に数えるのを止めて久しい頃、不意にそんな警告文が俺の眼前に出現し、5秒ほど浮かんでいると、空気に溶けるように消えていった。
「アイテムを持てません? って……俺、いつの間にアイテムなんか手に入れてたんだ?」
腰に下げていた小さな麻袋に手を突っ込むも、やはり何の感触も無い。――て、そう言えば、これは魔法の袋なんだっけか。
俺は「ステータス」と唱え、いつもどおりステータスウィンドウを表示させると、『アイテム』の欄に指を添える。――と。
「……“ビズギナルギツネの油揚げ”……?」
そんな名前のアイテムがギッシリと詰まっていた。呟いた瞬間、ヨダレが出そうになったのは秘密だ。
「ん〜? どうしたのアークくん?」ひょい、とステータスウィンドウ越しに俺を覗き込んでくるコロロ。
「あ、いやさ、“ビズギナルギツネの油揚げ”とか言うアイテムで、アイテム袋が一杯なんだよ。食べてもいいのかな?」ヨダレが溢れ出しそうになってるのは、まだ秘密だっ。
「――そっか! アークくんのアイテム袋って、まだ30しかアイテム入らないんだったねっ!」思い出したように手を打つコロロ。「うん、食べてもいいよ〜♪ おいなりさんにすると、とっても美味しいんだよ〜♪」
「おいなりさんかぁ〜」ゴクリ、と生唾を呑み込む俺。「てか俺、【夢世界】に来てから何も食べてないじゃん! 何か食べたいな〜……」
「ふむ。このパーティに料理スキルを有する〈ドリーマー〉などいるのかね?」腕を組んで小首を傾げるライア。
皆して顔を見つめ合う。
「コロロは料理できないのか?」コロロに視線を向ける俺。「ボクは食べ専だよ〜♪ 透耶(トウヤ)ちゃんは何か出来そうな気がする!」逆月(サカヅキ)に向かって意気込むコロロ。「ンな女々しい事しねえよ。――手前こそ出来るんじゃねえか」ライアに視線を向ける逆月。「残念、最強の魔法使いは料理に興味など無いのだよ」
沈黙が場を襲った!
「い……いなり寿司が食べたいです、先生……ッ!!」逝きそうな顔で拝む俺。
「ボクだって食べたいよ! 誰か作ってご馳走してよ〜!」地団駄を踏み始めるコロロ。
「空腹を感じているのは何も君達だけじゃないんだよ。夕飯には早いが、オヤツには丁度いい時間帯でもあるしね」小さなお腹を撫でるライア。
「……世話の焼ける連中だな、おい」はぁー、と重たい溜息を落とすと、麻袋を漁り始める逆月。
「……?」何を始めるつもりだろうか、と見守っていると、麻袋――つまりアイテム袋から取り出したのは、網にシャモジ、ナベ、ボウル、そして――飯ごう。料理道具一式を取り出した彼女は、「ん」と俺に手を差し出した。
「へ?」訳が分からず逆月の顔を見やる俺。
「油揚げだよ油揚げ」苛立ちながら逆月。「いなり寿司食いてぇんだろ? 作ってやるからとっとと出せっつってんだよ」
「え? ――えぇ!? 逆月、お前っ、料理できるのかっ!?」思わず驚きと嬉しさの混ざる声が出た!
「料理くらい出来るッ」ハンニャの顔になる逆月。「……ったく、何で誰も料理できねえんだよ……」舌打ちが何度と無く聞こえてきますよー。
逆月が何やら準備を始めたのを遠巻きに見守ってると、不意にライアへ近づいて行く逆月。また喧嘩が始まるのかとソワソワし始める俺。
「おい」短く声を掛ける逆月。もう既に喧嘩腰なんだが……ソワソワ。
「何かね?」身長に差が有り過ぎるため、見上げるようにして応じるライア。
「火を出せ」す、と指差す先には飯ごうが即席のカマドに吊るされている姿が。
「火くらい自分で熾(おこ)せないのかね? 様子を見るに自炊しているのだろう?」柔らかな笑みだけど、こちらも喧嘩腰になってきた。
「火を熾さねえなら、手前に食わせるいなり寿司はねえと思え」興味を失ったとでも言うように背を向ける逆月。
「――ふむ。君の作るいなり寿司は、魅力的と言わざるを得ないのでね、――仕方ない、火を熾してやろうではないかね」
飯ごうに向かって歩き出すライアを見て、おぉ! 遂に2人が歩み寄ったぞ! と歓喜の声を上げそうになる俺。その直後、高がそれだけの事で仲違いする奴もどうなんだろう……と思わずにいられなかったが。
飯ごうとの距離が1メートルを切った時、ライアは「火よ点れ」と短く呟いたのが、辛うじて聞こえた。――直後、飯ごうの下に並べられた薪が発火。丁度良い火加減で飯ごうを焦がし始める。
「おぉ! 今のが魔法かっ?」初めて見る幻想的な現象に、俺はライアに駆け寄った。
「あぁ、魔法だとも」澄まし顔で振り返るライア。「最強の魔法使いが使うには、あまりに低級な魔法だがね」その台詞はいらなかったナァ……
「あ、やっぱり魔法って低級とか高級とかって、階級があるんだな」ポン、と手を打つ俺。「鉄板だよな! てーと、やっぱり強い魔法だったら、隕石とか降らせられんのかなっ?」
「その者の発想力次第だろうね」小さく首肯するライア。「隕石を降らせる程の実力者ともなれば、私を含めても十指に満たないだろうね」
「うはーっ、やっぱりライアってすげぇんだなー!」どこまでが虚言なのか判らないから取り敢えず同調する事にする俺。「ちなみに【夢世界】の総人口ってどれくらいなんだ? 一月でユーザー500万人突破したって聞いてるから、それ以上だって事は判るんだけど……」
「先週だったかな? “夢界新聞”の発表で、【夢世界】発売から半年で5000万人突破したって言ってたよねー?」口唇に指を添えて上方に視線を向けるコロロ。
「その中で十指って……どんだけ廃人なんだ……」げっそりした表情でライアを見据える俺。
「ふむ? 何もそんな顔をしなくてもいいだろう?」微苦笑を滲ませるライア。「ちなみに言うとだね、私は半年以上前から【夢世界】で起臥している〈ドリーマー〉なのだよ」
「へ?」キョトン、とする俺。「【夢世界】って、オープンβテストがあったっけ?」
オープンβテストと言うのは、完成に近い状態のゲームを公開する事である。ユーザーは無料でゲームをお試しプレイできる代わりに、不具合などの報告をする。提供側にとっては発売前に不具合が無いかどうか確認できるので、メリットがある。最近ではその風潮も変わってきてるらしいケド……
「クローズドβだったんだよ」と返すライア。「向こうで料理に精を出している〈夢喰い〉の姫も、βテスターの1人だろうね。攻略組の筆頭であるギルド《ノーブルハウンド》の一員だったとも聞いているので、ね」
クローズドβって言うのは、オープンβよりも前に行なう、関係者だけのβテストの事だ。そして攻略組と言うのは……
「攻略組ってーと、そのゲームで最先端を行ってる最強の集団みたいなもんだろ? ライアもそうだけど、俺はもしかして、すげぇ奴らとパーティ組んでるんじゃ……」思わず腕をさすってしまう。
「今更何を言ってるのかね?」キョトン、とした後に微笑を滲ませるライア。「最強の魔法使いの眼鏡に適うパーティなのだから、スゴくて当然ではないか。――違うかね?」
「……いや、そう言われればそうなんだが……否定できないんだが否定したくなるな、おい」
俺が呆れながらツッコミを入れていると、――カツンッ、と硬質な物体が俺の頭を直撃した。あまり痛くなかったが、突然の衝撃に「いだッ」と声を上げてしまう。
頭を押さえながら振り返ると、トレイを右手に載せた逆月が見えた。「出来たぞ」素っ気無く呟き、俺の眼前で草原に胡坐を掻く。
トレイの上には、計24個のいなり寿司が並んでいた。仄かに香る香ばしい臭気に俺はヨダレが止まらなくなりそうだった。
「ウマそう! た、食べてもいいのかっ!?」ヨダレダラダラで俺。
「汚ぇな!」思わず身を退く逆月。「てか、食べてもいいも何も、手前らが食べてぇとか吐かすから作ってやったんだろがよ。とっとと食いやがれ」言いつつ、自分でもいなり寿司を1つ摘み上げる。
「そ、それじゃ……いっただっきまーすっ!」両手を合わせて、即座にいなり寿司を手に取る。一口では入りきらない大きさだから、がぶりっ、とかぶりつくっ!
「もぐもぐ……」口の中に甘辛い汁が一杯に広がり、至福が全身を巡る。「お、おいひい……」
「……大げさだな」呆れた風に嘆息する逆月。
「いや、アーク君の感想は的を射ている」コクリ、と小さな喉を蠕動(ぜんどう)してから呟くライア。「初めて君の料理を食したが、中々にして美味だよ。褒めて遣わそう」
「何様だ手前」イラッと来たようだが、それ以上口を出さない逆月。……やっぱり褒められると嬉しいんだろうな。
「美味しいな〜♪ もぐもぐ♪ おかわり!」空になったトレイを差し出すコロロ。――ってもう無くなってる!? 俺いくつ食べた!?
「……おかわりなんざねえよ。食ったんならとっとと行くぞ。日が暮れちまったらどうしてくれる」
すっくと立ち上がり、顎で先を指し示す逆月。そんな彼女を、俺達は座り込みながら上目遣いに見つめる。じっと、見つめる。
「……おい。聞こえなかったのか? 日が暮れちまうだろーが」苛立ちを隠せない逆月。
「おかわり!」コロロが元気一杯にトレイを差し出し、「久し振りに美味な料理に出逢ったんだ、もう少しくらい食しても罰は当たるまい?」ライアが朗らかな笑みを浮かべ、そして俺は――「……なぁ、俺、1つしか食べてないんだ……頼むっ、おかわり作ってくれっ!」――拝み込んでいた。
3人の反応を見て何を思ったのか、はぁーっと、深々と嘆息を落とすと、背を向けて飯ごうの元へ向かって行く逆月。「……次で最後だからな」ボソリ、と呟く声には疲れた色しか見えなかったが――こちらに向けている尻尾が小気味良く揺れているのが目に入り、俺達は一様に和んだ表情になった。
ツンデレなのか……と。いや、違うか。
◇――◇――◇
「……ところでさ、さっきの戦闘の事なんだけど」
逆月特製いなり寿司を心行くまで堪能し、満腹になったところで、スライトンとファストムを結ぶ街道をファストムへ向けて歩き出した俺は、のどかな景色を眺めながら隣を歩く逆月へ声を投げた。
逆月は先刻から不機嫌なのか上機嫌なのか、醒めた表情をしているのに尻尾がやたらと嬉しげに揺れていると言う、不思議な状態になっている。俺の声を聞いて、「ん?」といつもより親しみやすい表情で振り返った。いつも不機嫌そーな顔をしているためか、素の顔を見た瞬間、不覚にも胸が高鳴った。
「ビズギナルギツネ、だっけ? そいつの子供を奪ったのって、逆月じゃん? なのに、どうして俺が集中的に狙われたのかなって。俺、あいつらに何もしなかったよな?」
普通、自分の子供が奪われたら、奪った本人を叩くのが常だと思うんだが……どうしてか、あの巨大なキツネは、一目散に俺へ攻撃を開始した。恨みを買うようなアクションをした覚えが絶無なだけに、俺はずっと不思議に思っていた。
その事を話すと、逆月は「あぁ、それはそうプログラミングされてたからだろ?」と事も無げに答えた。
「プ、プログラミング?」思わずオウム返しに言ってしまう俺。
「ここは現実の世界であると同時に、ゲームの世界でも、異世界でもあるって、あの嘘つきが言ってただろ?」逆月は後ろに付いて来る幼女を肩越しに見やり、それから俺に視線を向け直す。「中にはプログラミングされた夢魔がいたっておかしくねえ。――違うか?」
「……いや、尋ねられても答えようが無いんだけど……」微苦笑を浮かべて頬をポリポリの俺。「う〜ん、ますます解らなくなってくるな、この世界……」
「異世界風なゲームの世界に紛れ込んだって思えばいいんだよ〜♪」コロロが愉しげに提案する。「それが1番っ!」ぴっ、と人差し指を立てて、俺の顔を覗き込んでくる。
「……うん、そうかもな」深く考えても答が出る訳でも無し。にへら、と微笑む俺。「――つまり、だ。さっきの巨大ギツネは、子供を奪われると、近くにいるプレ……〈ドリーマー〉を襲う習性があるのか?」
「惜しいが不正解だよ、アーク君」背後で聞こえた澄んだ声に振り返ると、ライアが顔に右手を添えてニヤ、と口唇に笑みを刻んでいた。「ビズギナルギツネは子供を奪われると近くの〈ドリーマー〉を襲うのではない。当然だが、子供を奪って行った〈ドリーマー〉を狙って来る」
「へ?」間の抜けた顔をする俺。「でも、逆月にまったく襲いかからなかったんだぜ? 俺に集中攻撃してたの、見てたろ?」
「あぁ、確かに見ていたよ」コクリ、と頷くライア。「厳密に言えばだよ、子供を奪って行った“パーティ”を狙うんだ」ぴ、と人差し指を立てるライア。「透耶君とアーク君はパーティを組んだ仲間同士だ。ビズギナルギツネは透耶君に子供を奪われた。ビズギナルギツネは子供を取り返すため、透耶君の“パーティ”に襲いかかる。そしてその時、ビズギナルギツネの1番近くにいたパーティメンバーは誰か?」澄まし顔で俺を見つめる。
「……なるほどな……」嫌と言う程に納得して頷く俺。「道理で誰も俺に近づいて来ない訳だ……」
「これで君も1つ大事な事を学べたね。勉強代は、今回は特別に無料にしておいてあげよう」にこ、と極上の笑みでライア。
「……ヒドく荒んだ〈ドリーマー〉に成長する気がして仕方ないんだが……」視線を逸らしてげっそりの俺。
「――ところで1つ聞きてぇ事があるんだが」
不意に声を上げたのは逆月だ。俺に聞いてるのかと思って視線を向けたら、ネコ耳女が見ているのはこの中で1番“冒険者”然としてる少女――コロロだった。
「うゆ? ボク?」キョトン、と瞼(まぶた)をパチパチして逆月を見やるコロロ。
「DR1の〈ドリーマー〉がいる時の報酬が、特殊な刀剣類なんだよな? だったら――」俺に視線を向ける逆月。「途中でランクアップしたらどうなるんだ?」
――そう言えば逆月を勧誘する時に、コロロが何か言ってたな。ポン、と手を打って思い出す俺。
コロロは口唇に人差し指を添えてキョトンとしたまま。逆月の表情が徐々に怪訝な色に変わっていくんだが……
「――ふむ。そんな情報は終ぞ聞いた事が無いね。真偽の程は定かなのかね?」助け舟――ではなく、今にも沈没しそうな小舟を、ライアが出してくれた。チラ、と逆月に視線を向けると……あぁ……眉間に皺が……
「……おい、〈寄生の死神〉……」チキ、と鍔(つば)が浮く音が聞こえた。「〈口先の傍観者〉の特権を使ったって言うつもりじゃねえだろうなァ……?」修羅のような顔で逆月。怖いよーッ。
対するコロロはキョトンとしたまま顔を硬直させている。……そろそろ反応しないと、流石に命の心配を始めなければならない気がするんだが……と俺は仲裁に入る準備を始める。
「違うんだよぉー♪」突然、きゃるんっ☆と舌を出してポーズを決めるコロロ。「ちょっと謀(たばか)った、だ・け☆」
「何が違うのか俺にも説明してくれないかッ!?」擁護のしようも無くツッコミに走る俺。
「――そこに直れ。介錯してやる」もう抜刀しちゃってる逆月さん。こればかりは俺も容認せざる……いやダメだろ!?
「待って落ち着いて!? コロロが全面的に悪いのは言うまでも無いけど、流石に介錯は止めたげて!? このとーりっ!!」
全身全霊を懸けて土下座を敢行する俺。それを見てどう思ったのか判らないけど、逆月の敵意は感じられなかった。沈黙が場を制し、俺は恐る恐る頭を上げる。見上げた先には、逆月がメチャクチャ嫌そうな顔で俺を見下ろしている姿が。
「……なぁ、お前はこいつの何なんだ?」逆月が顎で示す先には、キョトンとしたコロロの姿。「手前が土下座してまで庇うような奴じゃねえだろ。むしろ手前だって、殺された方がいいと思ってんじゃねえのかよ?」
……俺は頭を上げ、その場にあぐらを掻いた。逆月を見上げ、ちょっと眉間に皺を寄せる。「……そりゃ、ちょっと勘弁してくれと思う事はあるよ。でも、殺されてもいいなんて、そんな事は思う訳無いじゃん。だって、コロロは俺の仲間なんだから」
正直な気持ちを告げて、俺は立ち上がった。俺を見据える逆月の眼光は相変わらず鋭く痛かったけれど、俺はそれに負けないように見据え返す。
「コロロが悪かったのは、俺だって分かる。でも、殺すのだけは止めてくれ。コロロの態度が気に食わないのなら、俺からも注意する。だから頼む。剣を納めてくれ」
静かに腰を曲げ、逆月に対して頭を下げる。そのまま、俺は動かなかった。彼女がそれでも許容できないと言ったら……俺はどうしようかと、内心冷や汗でビショビショだった。
「……お人好しだな。そんなんじゃ長生きできねえぞ」
チンッ、と鍔が鞘に落ちる音が聞こえ、頭にポン、と手を置かれた感覚に気づき、俺は頭を持ち上げた。その頃には逆月は俺の背後へと――ファストムへと続いている街道を進んで行く最中だった。肩越しに振り返る彼女は冷たい表情だったけれど――何故か、満足そうにも映った。
「逆月……?」俺は慌てて追いかけようと足を踏み出す。
「君は新米ながらもリーダーの気質はあるようだね。君の株は上昇の傾向にあるよ」ポン、と背中を叩かれ、俺の横合いを抜けるように歩いて行くライア。
「へ?」俺は何を言われたのか聞き逃し、聞き質そうとして――「ありがとねっ、アークくんっ♪」ひょいっ、と俺の顔を覗き込むようにしてコロロが飛び出してきた。
「ありがとって……当然だろ? てか、お前も逆月に謝っとけよ? 悪いのは間違いなくお前なんだから」眉根を顰めてコロロを見据える俺。
「うん、分かった! リーダー命令だもんね♪ いつか謝っとくよ〜♪」踊るように2人を追っていくコロロ。
「いつかって……って、ちょっと置いてくなよっ!」
慌てて駆け出し、3人の問題児を追い駆ける俺。
先が思いやられると思ってたけど……いや、確かにそうなんだけど……でも、やっぱり悪い奴らじゃないな、って再認識した。
そう、心にほんのりと温かいものが滲んできた時だ。――悲鳴が聞こえたのは。
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