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  星になって帰って来た


ある日、彼が私の前から姿を消した。



いつも言ってくれてた「ほな。」っていう

別れの言葉も残さずに消えてしまった。




『捜索願ださなきゃ』




私の頭にはそのことしか浮かばない。



『アイツ何処行ってんねん。戻って来んとかありえへん。』




最初は冗談かと思ったの。


それが、2日経っても3日経ってもアイツは帰って来ぉへん。





『ありえへん。ありえへん。』




だんだん私の頭には最悪な状況のことばかり浮かんできて…








そんなある日私のところに警察が来た。



「捜索願を出されていた彼のことなのですが…」




何故、彼の両親のところへ行かなかったのかは未だに分からないけれど

最初に私に知らせに来たのは、貴方達が悪魔だったのですか?




その人たちの口からは次々に私が予想してしまった

最悪な状況が発せられていた。




「彼、昨日○○海岸沖で発見されたのですが、
 もうすでに息を引き取っておられまして…」


貴方がとても親しそうだったので最初にお知らせに参らせていただきました。

そう続けた。

ホントに悪魔だ。

彼の死の報告をなぜ私が最初に聞かなきゃいけないの?



アイツ言ってたな。

「俺、天国あると思うねん。だからな、俺が死んだらお前もあとから天国来いよ〜」



アホか。なんて馬鹿にしてたけど

アイツ今天国に居るんかな?









星になって帰ってきた彼

2012/07/25  完成

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