5.少しは成長したみたいだね(越前)

『あ、分かったわ。』



理解できた。

あの英語を・・・。





神様が私の後ろに降りて来てるんだ!!







「あんたの努力でしょ。」



『え。』



「考えてることバレバレ。」





『あははははは。』







後ろにいたのは越前くん。


また、何か本を借りに来たのかな??








『今日は何をしに図書室へ?』




私はもちろん、“英語の勉強”。


越前くんは・・・




「本借りに来たっす。」





そっかそっか。







『あ!! 英語分かるようになったよ。
  越前くんのおかげだわ。ありがと!!』





「別に。」





これで何回目かな?


越前くんに、御礼を言ったのは・・・










『そう言えば、もうすぐ部活だよ!!急がなきゃ!!』





「そうっすね。」























ということで、







パコーン。パコーン。





放課後の部活です。








『ふう。』


最近は、愚痴もこぼさず。

というか、聞かれたら困るので、零せずに

毎日のマネージャー業を頑張っております。










『あとは・・・。ドリンク作るだけか。』






トコトコと歩いて来た場所は、あの日越前くんに見つかってしまった場所。



『あとちょっとだね。』









「少しは成長したみたいだね。」





『え!!!』






後ろに立っていたのは越前くん。


もう、声を聞いただけで誰だか分かる。


それぐらい、この短い間で越前くんとは、色々あった気がする。







『成長した?』



「うん。英語にしてもマネージャー業にしてもね。」




『そうかな?』



「英語は分かるようになったし、マネ業は愚痴こぼさないようになったし。」





『越前くんのお陰です・・・(笑)』



自分で言った言葉だけど、面と向かって言うと結構恥ずかしい。






「成長したのは、ユリ先輩の努力の賜物っす。」




『そう言ってもらえるとうれしいわ。』









なんとなく気まずい・・・。

恋する2人の様な雰囲気。






「あ、ユリ先輩。」



沈黙を破ったのは、越前くん。




『どうした??』




珍しく口ごもる君。







「先輩は、俺の名前ぐらい分かりますよね?」




しかも、敬語。




『リョーマでしょ?』




呼び捨ては失礼だったかな?





「それっす。そう呼んで欲しいっす。」




は?



『リョーマくん?』




友だち以上になってしまう。
君との関係。







「俺も。ユリって呼ぶから。」





そう言って恥ずかしそうに、帽子を何時もより深く被る君。



ツンデレって言葉が似合う君を

こんなに愛おしいと思うようになったのは、

貴方が好きになったからかもしれない。





















『少しは成長したね。』


「お互い様。」






2012/01/05

- - - - - - - - - -
感想は、お気軽に Mailからどうぞv(o´∀`o)v



[back]
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -