本気で信じた赤い糸(白石)

『ね。赤い糸って信じてる??』



ふとこんな話題を出したのは、今の関係に不安を感じ始めたから。





「あるんとちゃうん??」



どっちつかずな感じで答えた蔵は、今日もなんだかボーっとしてる。




最初に好きになったのは私だっけ??

告白したのはどっちだったけ??

付き合い始めた日付覚えてる??



なんだか、私の中にはさっきから蔵に聞きたいことが
ポツポツと浮かんでくる。


そして。




“やっぱりいいや”って消えていっちゃう。









「ユリは信じとるん??」



『え?』




「赤い糸や。自分が言いだしっぺやで〜〜。」




少し茶化しながら私の答えを待つ君の顔を
私は少しの間眺めていた。







『信じてるか、信じてないかって言うとね・・・。』





少しだけ止まってしまう。





言葉と思考




ついに、歩きを止めた。







不思議そうに振り返って私を見た蔵は、


少しずつ私に近づいてくる。




そして

一瞬だけ重なる唇。




「そないに真剣に考えんでもええで?」




心配している蔵の瞳。

眉が下がってる。






『初めてだったのに・・・。』




「は???」






『キス!!ファーストキスだったの!!さっきのやつ!!』




そう。


私が赤い糸について少し考えていた間に、蔵がしちゃったキスは
私のファーストキス。





「俺もやで??俺は、ファーストはユリって決めとったからな〜。」





そんなことを私の目の前で言っている蔵。







『別に、嫌じゃ無かったよ。ウチも蔵でよかったし。』



「ホンマか?! 嬉しいわ〜。ってか
 付き合ってるんやから、当たり前やで。(笑」









少しだけ、顔を赤くした蔵ノ介は、珍しくニコニコしていた。









こんな蔵を見てると、

赤い糸はホントなんじゃないかと信じてしまう。




私の赤い糸は蔵に繋がってて、蔵の赤い糸は私に繋がってる。



きっとそうだと思う。









本気で信じた赤い糸


それは、私と蔵の間にある、細いけど絶対に切れる事の無い赤い糸

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