変わらない想いがここに(忍足)

『ウチな、侑士くんが好きやねん。付きおうてくれへん??』

小2の夏。
忘れることのできない私の思い出。
人生初の恋。そして告白。

他人に自分の気持ちを晒し出すことが大の苦手だった
私が、同じクラスだった“忍足侑士”という男に
自分の気持ちを初めて明かした。


そうすると、彼はこう言ったんだ。
忘れることは無い。いや、できない。

「・・・・。俺、ユリちゃんよりも、葵ちゃんが好きやもん。
  ちゅうがくせいになった時、まだ好きでいてくれたら、考えてあげる〜〜。」



葵ちゃん。
一番苦手な子だった。


侑士くんの好みは私とは真逆の子。





分かってるよ。



『ふっ。 ふぇぇぇぇぇん。』




初恋にて、初失恋。















ジリリリリリリッリ





『うっっわ。』



大きな目覚ましの音で起きた。

現在7:30

絶対遅刻でしょ・・・





『はぁ。』



昔の夢見て、しかも寝坊とかサイアク。






女子とは思えないほどの驚異的な速さで支度を終えると
急いで家を出た。



『行ってきま―――す。』










彼のことはまだ好き。
実際、同じ中学まで通ってる。
大阪を出て、もうすぐ3年目。

1人暮らしをしてまで、彼を追い続けている私だけど、
全然近づける気配なし。

ってか。向こうは覚えてんのか??






「うっわ。お譲ちゃん危ないで。」


急に上から声が降ってくる。




・・・・。



多分。考え事をしていた私が、氷帝学園生とぶつかりそうになった。
その人は・・・


“忍足侑士”






『堪忍な〜。考え事しとってん。』



わざと明るくふるまう。
何でこんな日に会うんだよ。ってか、メッチャ身長高うなってるやん。



「別にええけど。久しぶりに同族に合ったわ。」


『は?同族??』




「あ〜。えっとな。同族っちゅうんは、自分関西出身やろ?
  まぁ。関西出身のやつを同族ゆうてるんや。」




『はぁ。』



凄く久しぶりに喋るけど、
昔と変わらない。



私の思いも。君も。








ただ一つだけ変わったのが、君と私の関係。

少しずつ動き出した歯車は、きっともうすぐ大きく動き出す。

私にはそう思えた。





神様ありがとう。

私はこのチャンスを逃さない。

きっと、侑士くんと付き合って見せるから。








変わらない想いがここに


完成  2012/02/17

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