君の名前で夜を切り裂く (大石)

『別れよう。今までありがとね。』








そう言って別れを告げられた、部活前。


部活に集中できるわけがなくて、ついボーっとしてしまう。











「大石!!やる気あんの?!無いなら、今日はダブルスしないかんね!!」


英二が怒って俺を見ている。






嗚呼、パートナーにも迷惑が掛ってしまう。
なんて弱い男なんだ俺は…













自己嫌悪の波が次から次へと心の中に押し寄せる。














「今日は、帰らせてもらうよ。」



今日の精一杯の強がりを言って、帰り道へと急ぐ。














久しぶりに一人で歩く帰り道は、とても寂しくて…
凄く虚しかった。















気付くと、よくユリと二人で来ていた、
星がよく見える丘に居た。













今日の星は、まるで俺を嘲笑うかのように、
煌びやかに光っている。










あれは、二人で名前を付けた新しい星座。

あっちは、付き合って1ヶ月の日に、見つけた星。






空を見上げると、二人の思い出が詰まっていて…





ユリ〜〜〜


まるで、何かの糸が切れたかのように泣き出した。














2011/12/01  完成

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