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この恋を壊したくなかった。(赤也)

2人の間には、とても静かでとても重い空気が漂っていた。












最近、クラスでも話すことが少なくなった。









キライになっちゃた?

ウザい?










私の中には、そんな不安たちが
気持ちとは反対に、プカプカと浮かんでくる。













ポツ――――――




鼻の頂点に、水が当たる。







『雨だ。』













呟いてみたけど、反応は返ってはこない。












まるで私の心が、雨となって現れたかのように
少しずつ雨は酷くなっていく。













(折りたたみ傘有るんだった)






確かに今朝、カバンの中に入れた。













でも・・・・

今さしても、赤也を入れなきゃいけなくなるし、
そうなると、話さなきゃいけない。






こんな重い空気の中、そんなこと・・・















一人でそんなことを考えてると、
いつの間にか、いつもの「バイバイ」のときが来た。















「じゃぁ  な。」







ポツリと言葉を放つ赤也。

ぶっきら棒だけど、ホントは優しい人。






分かってるよ。






でも、











もう、







私たち、ダメみたいだね…













『むり、 しなくていいんだよ。』







もう、後には戻れない。






「はっ?何いってんのコスモス。」








驚きを隠せない表情で、赤也は私をみる。










『もう。別れよう。  


     バイバイ。』











早口でそれだけを告げて、私は走り出した。





















少し走ると

また、雨がひどくなっていることに気づく。









赤也は、追いかけて来なかった。

きっと、分かったってことだと思う。













2人とも分かってたんだ。




たまたま私が別れを告げただけ。



ただそれだけなんだよ…















一筋の涙が頬を通り、地面に落ちる。



雨と一緒になった涙は、コンクリートに染みていく。
















サヨナラ赤也。












心の中でそう呟き、



1人傘をさして歩きだした。









2011/11/02    完成


御題:確かに恋だった様

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