short




二人で一緒(白石)

「コスモス、ちゃんと俺のこと見とるか?」



俺は、空を見上げて呟いた。



コスモスが俺の隣から突然、姿を消したのは2年前。






最初は、受け入れきれずずっと、悩み苦しんだ。



そないなった時も、俺を助けたんはコスモスやったな。


(夢ん中出てきたときは、びっくりしたで。)













「白石。今日は、早う部活ば終わるとやろ?」




珍しく部活に来ていた千歳が、話しかけてくる。


コスモスのことを知っとるから、そう尋ねてくるんやろう。

俺はそう思った。









「おん。 命日やからな。墓参りに行ってくるわ。」



「なら、もう帰んなっせ。」




即答で、千歳が言う。









「なんでやねん。まだあと少しできる・・・



「コスモスが待っとるよ。」



俺が言い終わる前に、言葉を発する千歳。

少し遠くを見つめながら、優しい顔をする・・・













「・・・・・ほな、俺帰るわ。」






なんとなく、千歳が言いよる意味が分かった気がする。









俺がコスモスに会うのを楽しみにしとるように、
コスモスも待ってくれとるんや。










きっと・・・・・・。















「コスモス。久しぶりやな。」




コスモスが眠っているその場所に喋りかけると、







『蔵。毎年おおきに。ウチは、いつでも蔵の隣におるで。』





コスモスがそう言って笑っている気がした。









「こっちこそ、おおきに。」









コスモス。








俺らは、いつでもやで。












2011/09/13 完成





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