小説 長編 | ナノ



最後に残した贈り物

学校は、サボる事が前より多くなり、

何をするにも、ボーッとしとる事が多くなった。






心の中にあった物が、すべて抜き取られたように。








テニス部のみんなが、心配してくれとったのも知っとったし、


迷惑をかけているのも分かっとった。







でも。







どうしても、やる気が湧かない










そんなある日。





ピンポーン







インターホンが家中に響く。






「みんな居らんのかのう。」




そう呟いた時。       

2回目のインターホンが鳴る。







しぶしぶ立ち上がり、玄関の扉を開くと。





バラの母親が立っていた。







一度だけ会った事がある。



バラの家に行った時。



キラキラしていて、若々しい人だと思った。



≪貴方が、雅治君よね?≫



でも、今は


少しやつれた様な、疲れ切った様な、表情をしている。







返事をする代わりに、頷いた。








そうすると、バラの母親は、一枚の手紙を差し出した。






≪あの子の、荷物を片づけてたらね、これが出て来たのよ。≫






その手紙には、“雅治へ”と書いてある。






「どうも。」

   と言って、手紙を受け取った。




バラの母親は、≪用件はこれだから≫

 と言って、帰っていった。








俺は、すぐさま部屋に戻り、手紙を開く。







バラが、

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