小説 長編 | ナノ



気持ち伝えきれず

わけのわからん言葉たちが、俺の耳を通り過ぎる。



バラは、信号無視したトラックにはねられた。








あの時、俺がもっと早くに、バラに気が付いていたら。

もっと早く救急車を呼んでいたら。



もっと、もっと。





そんな後悔しか、俺の中には残っていない。






でも。






一番後悔したのは。



















「くっっ。」




それを考えると、今でも、自然と涙が出てきて、全てを無くした人間のようになる。






バラとの、お別れ式が終わっても、

俺は一人でずっと座っていた。






≪仁王君。 気持ちは、お察しします。

 が。 今は一旦、家に帰りましょう。≫




見かねた柳生が、声をかけてくれた。




気持ちを分かってくれていた柳生だからこそ、その言葉が、俺の中に入ってくる。







そのあと、家に帰っても俺は一人で泣き続けた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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