「今年のバレンタインは皆どうするの?」
女の子どうしのお茶会。
紅茶と手作りのお菓子。
昼下がり。
「ワタシは老師とヨンスと香にあげるヨ。
でも本命はキクさんネ」
もりもりとクッキーを頬張り湾は言う。
「私は兄様に…ナターリヤさんは誰かに?」
「兄さんだ」
ジャムを含んで紅茶を口にしたナターリヤは素っ気なく答えた。
「そうですか…」
寂しげに微笑むリヒテン。
「そう言うエリザはどうするん?今年こそギルn」
「あぁぁ!!ちょ、」
ベルギーの言葉に慌てるエリザベータ。
「え!?やっぱりギルの事が好きなん!?」
「そ、そんなんじゃないわよ!アイツはローデリヒさんと違ってガサツだし、下品だし…」
「慌てるトコがあやしいヨ!」
「そう言うベルギーはどうなのよ!?」
「ウチもお兄ちゃんに渡そうとおもーてん」
サラリと答える。
「でもそんなことより今は――」
「ちょ、やめ、」
響く叫び声。
「バレンタイン緊張しますね」
「…あぁ。」
しかしそんな喧騒の中。
彼女達はいつも通りだった。