遺書
死んでみようかとおもいました。
しかしここから見た景色はあまりにもたかくて。
フェンス越しに覗き見た世界に恐れをなした私は数歩、あとじさりました。
ああなんども。
なんどもしのうと思いました。
でもやはりあと少しのところで私は死ねぬのです。
夜は眠れません。
目をつぶり、あの優しい夢の世界に旅立とうとする瞬間、
現と夢をふらふらと綱渡りしているようなそんな時。
騒音が私を邪魔します。
しかしその騒音は私にしか聴こえないのです。
頭の中に騒がしくなり響く鐘の音。
いえ、鐘?
或いは鉄板を大勢の人が踏み鳴らすような。
ともかくうるさいのです。
そして、断続的に寝ては起き、寝ては起きを繰り返した朝、今日こそ必ず死のうと思うのです。
生きていくことは恐ろしいです。
その恐ろしさにくらべれば、自ら死ぬ恐ろしさは一瞬です。
それならなぜ死ねないのかというと、その一瞬にあらゆる恐怖が凝縮されているからです。
それには万が一生き残る恐怖も含まれます。
ああでも明日を生きる恐怖にくらべれば。
つぎこそ、しぬつもりです。
死ねたときのためにこのばをお借りしておわかれの挨拶をします。
皆さん、どうかお元気で。
あなたの明日が健やかなるものであることを祈ります。
後記
管理人は、しにませんけど…
期待した方すみません。
うかんだので、ここに投下。
わーい。
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