チーンと小気味良い音と共に、トースターからはこんがりと香ばしい香りが漂ってきた。小麦のやわらかなそれはかなり食欲をそそる。
二人で暮らし始めてから朝食作りは交代制で、今日は俺の当番だった。普段ならこの時間には真ちゃんも起きてテレビを見たりしているけれど、夜更かしのせいでまだベッドから出てくる気配はない。
結局あの後俺が眠れたのはもう日が昇り始めた頃で、睡眠時間は一時間弱、つまりはほぼ徹夜みたいなものになってしまった。けれど横になっていたことに変わりはないからか、特別だるいとかそういうのはない。たまにはこんなのも平気なのか、とわかりむしろ感心したりもした。
換気扇のスイッチを入れて、ガスコンロにフライパンをのせる。目玉焼きにしようと思っていたのだが、冷蔵庫のウインナーの賞味期限が間近だったことを思い出し慌てて箸を黄身に突っ込みかき混ぜた。ウインナーを引っ張り出して、適当な大きさにきざんで卵のなかにぱらぱらと混ぜ混んだら完成だ。目算で半分にして皿に盛り付け、あとはトマトでも添えればいいだろう。スープはインスタントがあったはず。
さて、それじゃあお姫様を起こしに行きますか。今日のスクランブルエッグはわりとうまくできたから、あたたかいうちに食べてもらおう。



 


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