物音ひとつしない静まりかえった深夜、ベッドの脇の小窓からなんとなく外を眺めていた。きらきら煌めく星が眩しい。小さな窓に切り取られた小さな空は、まるで宝石箱のようだ。
布団の中でゆっくりと寝返りをうつ。いつものようにベッドに潜ったものの、目がさえてなかなか寝付けなかった。まあその原因は、わかりきってはいるのだけれど。
「真ちゃん、まだ起きてる?」
「……ん」
隣に横たわる布団の膨らみをつつけば、がさりと動いた。と、丁度そのとき枕元の目覚ましがぴぴっと鳴いて、日付が変わったのを知らせてくれる。
今日は七夕だ。だから星があんなに綺麗なのか。
けれどそんなことよりもうひとつ、俺が真っ先に伝えたかったことを告げるために口を開く。
「お誕生日おめでとう、真ちゃん」
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