スーパーで買った二割引のコロッケと三色サラダに真ちゃんお手製の簡単スープ。食卓に並び湯気をたてるそいつらは、昼よりずっとチープだけれど空きっ腹にはすごくくる。往復約四十分を歩いてきたわけだ。当然お腹も空くだろう。
｢にしても真ちゃん料理上手くなったよな｣
｢人事を尽くしたからな。……それでもお前には及ばないと思うが｣
｢いやすげーって！高校の家庭科とかさあ、班の人に包丁握らせてすらもらえなかっ｣
｢……うるさいのだよ｣
ぐうと忌々しげに睨み付けてくる真ちゃんをよそに、暖かいスープを啜る。うん、おいしい。キャベツと玉ねぎの入ったコンソメスープ。にんじんは時間がかかるから入れなかったらしい。じんわりとお腹のなかが暖められていくような感覚に、自然と目を細める。
｢おいしい｣
｢そうか｣
｢やっぱすげえ上達したって｣
真ちゃんは不器用だけれど頭はいいので、レシピに従ってつくれば形は多少歪ながらも十分にできる。ま、どんな料理だって真ちゃんが作ったってんなら食べるんだけどな。
｢いつかお前より上手くなってやるのだよ｣
｢へへ、期待してまーす｣
はてさて、何年後になるのやら。万が一そんなときが来たら、とりあえずは手放しに褒めちぎってやろう。
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