部屋に帰って真っ先にソファになだれこむ。二人で暮らし始めたときに買ったそれは、大の男二人が座っても大丈夫なビッグサイズである。ふかふかの布地がやわらかく体を包み込んで気持ちいい。
「だらしがないのだよ」
ぐったり背もたれに寄りかかっていると、背後から呆れるようなため息が聞こえてきた。今日買った荷物をテーブルの上に置く音がしたかと思えばぼすんとソファが揺れる。首を回すと、うなじを背もたれに預けテレビのリモコン片手に横目でこちらを見る真ちゃんと目が合った。
「何見んの?」
「天気予報だ」
「そっか明日平日かあ」
つまんねえの。明日も今日みたいに一日中真ちゃんといられたらいいのに。素直にそう伝えたら、ふんと鼻で笑われた。仮にも恋人のその態度は少し心が痛むんですけど。
「たまにだから価値があるのだよ。それに、これから何度もこういった機会はあるだろう」
なるほど。さすが真ちゃん、いいこと言うね。そうだ、別に明日でなくても、これから先機会はたくさんあるのだから。ずっと一緒にいるつもりだしね。たぶん真ちゃんが嫌がったとしてもずっと。生憎俺は大人しく離してやるような珠じゃない。
「そっか、それもそうだね」
ああそっか、こういうのを幸せって言うんだろうな。
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