眠くなったし、お菓子でも食べながらお昼寝しようかなって中庭に来たら、珍しく先客がいた。きっちりと刈られた芝生の上に横たわって、芝生にそっくりな頭をしたミドチンが寝ている。脇に分厚い本が転がっているから、そこの木に寄りかかって読んでいたのかもしれない。

「こんなにあったかいんだから、お昼寝したくなっちゃうよねー」

側に寄って声をかけてみたけれど、返事は返ってこなかった。あらら、ぐっすりねちゃってる。めずらしいな、ミドチンの寝顔。いつもとちがって、なんか子供みたい。

「俺もねよーっと」

ぼすん、芝生に横になる。ちょっと首筋がちくちくするけれど、あったかいからいいや。
ミドチンを見てたら、なんだか俺も寝たくなってきた。お菓子は目が覚めてからでいいや。

「あったかいねえ」

こっそりミドチンにすりよって、ぴったりとくっついたまま瞼を下ろす。暖かくて気持ちいい。ミドチンの体温も、ぽかぽかの日差しに負けないくらいあったかかった。




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