※メモネタ
どちらも中一設定、捏造しかない
中学は別
高尾の妹視点
緑間妹は兄よりはコミュ力がある

大丈夫な方のみどうぞ






その日はお兄ちゃんの試合があって、あたしは一人で応援に来ていた。予定もなかったし、バスケしてるお兄ちゃんを見るのは好きなんだけれど。そもそも何でこんなことになったかといえば、寝坊したお兄ちゃんがお弁当を忘れて行ったからだということで。
急がねえと待ち合わせに遅れるとだけ残して家を飛び出して行ったお兄ちゃんはおかしかった。普段はかっこいいのになあ、とちょっとだけ呆れてしまう。なんて、これじゃあたしブラコンみたい。

「……すみません、秀徳高校のバスケの試合会場、どこかわかりますか」

まだ試合開始まで余裕があったので、お弁当を崩さないようにのんびり会場を歩いていると、不意に後ろから小さく声を掛けられた。可愛らしい、けれど大人しそうな女の子の声だ。

「え、あたし?」

「はい。兄から地図をもらったんですけど、よくわからなくて」

振り返ると、そこには一人の同じ年頃の女の子が立っていた。背はあたしより少し高いかも。いや、そんなことより。方向音痴なんです、と困った顔を浮かべる少女の髪は、深い緑色をしていた。
緑色の髪をした人を、あたしは一人よく知っている。よく家にお兄ちゃんが連れてくる、同級生のあの人。
兄、秀徳、バスケ。彼女の三つの言葉が重なって、あたしは無意識のうちに聞き返していた。

「あなた、緑間さんの妹さん?」

「えっ、たしかに私、緑間ですけど……一体どうして」

「高尾、って言えばわかるかな。うちのお兄ちゃんがいつもお世話になってます」

「高尾、和成さんですか……?」

あたしが頷くと、驚きを隠せない、といった様子でレンズ越しの翡翠を瞬かせる少女は、間違いなく緑間さんの妹だった。いや、彼女も緑間さんなのか。
大きな瞳を縁取る睫毛は正直羨ましいほど長くて、綺麗。目が悪いのは遺伝なのか、兄と同じような黒縁の眼鏡をかけている。たゆたう緑髪は、すらりとした体躯を包む清楚なワンピースにとてもよく似合うように、緩くみつあみにされていた。

「ふうん、やっぱ兄妹って似るんだねえ」

「そうでしょうか?」

「あ、敬語はいいよ。同い年っしょ?お兄ちゃんから聞いてる」

「あ、そうですね。じゃあそうさせてもらう」

ふふ、と柔らかく控えめに笑う女の子は、自分で言っといてなんだけど同い年とは思えない程綺麗で可愛らしくて。
彼女のお兄さん、真太郎さんよりも幾分か柔らかく見えた。真太郎さんの方は、笑うとあたしよりお兄ちゃんが興奮しだすからあんまりよく見れてないというのもあるけれど。

「あなたも試合見にいくんでしょ?あたしもだから、一緒に行こ?」

「ありがとう。それにしてもあなたも、お兄さんに似ている気がする」

あたしの隣に来て歩きだした彼女にそうかなあ、と返す。黒髪でつり目がちなところはよく似ていると言われるけど、それ以外は言われるほど似てないと思うけど。

「ほら、うちの兄って人付き合いが苦手なの。実は私もあまり得意じゃなくて、初対面の人と上手く話せないことがけっこうあるのだけれど」

「ああ、前にお兄ちゃんが緑間さんの親友は俺だけなんだぜって自慢してた」

「そういうことよ。兄さんが高尾さんを家に連れてきた時はびっくりした。でも明るくてすごく兄さんのこと考えてくれてる人で、この人なら、って思ったの。そんなとこが、あなたも似てるなあって」

雰囲気でわかるよ、と付け加えた彼女の言葉に、なんだかこそばゆくなった。あたしはお兄ちゃんと真太郎さんが親友とかそういう枠を越えた関係だって薄々気づいてるけど、このままいけばこの子と姉妹になれるのかなあ、と思ったらなんだか嬉しくなった。今日の遅刻ギリギリな理由さえも、真太郎さんを迎えに行くからだったし。
もしそうなったらあたしが姉で、この子が妹かな。なんとなく。あ、でも男同士だし結婚は無理か。けど今は事実婚とかもあるし、事実姉妹、なんてね。

「そう思ってもらえると嬉しいな。うちのお兄ちゃん、緑間さん大好きなんだもん。いっつものろけてくるんだよ?」

「あ、それうちも同じ。兄さんったら本人のまえだと素直になれないくせに、ご飯のときとか高尾さんの話ばっかりするんだから!」

もう、と頬を膨らませる彼女は、すっかりあたしに打ち解けたらしい。兄妹でもだけど、あたしたちも案外似てるかもね。自由なお兄ちゃんたちに振り回されてます、ってか!

「ほんと?お兄ちゃんに教えちゃお」

「それいいかもしれない。たまには兄さんも高尾さんに感謝を伝えるべきなのよ」

「ふふ、お兄ちゃん絶対喜ぶよ!どうする、試合が終わったら、二人で待ち伏せしよっか」

「いいね。ぜったいびっくりすると思う」

驚いたお兄ちゃんたちを想像して、どちらともなく吹き出した。顔を見合わせて笑いながら歩いている女子中学生二人なんて、回りの視線がちょっと痛いけど。
でも、そんなこと気にならないくらい。この子とは仲良くなれそうだ、そう思った。









なんだこれ。妹ちゃんは小さくてもお年頃でも絶対に可愛いと思います。
高尾の妹は明るくてさばさばしたかんじでやっぱりコミュ力高くて、緑間の妹は兄よかは人付き合いできるけど大人しめで清楚なかんじを希望。兄さん並みに変人でもそれはそれでたぎる。天然とツンデレも受け継いでほしい。そしてそれを慣れてきたら高尾妹に炸裂してほしいです。
お兄ちゃんズがあれだからこの二人は絶対仲良くなれるはず。そして絶対に将来姉妹になるはず。




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