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 どれくらい時間が経っただろうか。鼓膜を震わせていた雄叫びと叫び声が聞こえなくなり、ミズキは岩陰で鈍重に顔を上げた。携帯で時刻を確認すると、アルファが死んでから既に十五分が過ぎていた。十五分もの間狙撃されなかったということは、あの大男はミズキの存在に気づかなかったということであろう。ミズキは安堵の息を吐くと、地面に転がっている双眼鏡を拾い目に当てた。

 レンズの向こうには、赤茶けた砂粒の上でボロ雑巾のように横たわる五十人以上の男と、その中心でまるで準備運動を終えたような晴れ晴れとした顔で伸びをする大男の姿がある。全滅。盗賊集団を追いかけてきたコミュニティーは全滅であった。

「ん、あれは……」

 視界の隅に、大男に向かって意気揚々と歩みを進める四人の男が映り、ミズキは目に"凝"をする。その四人、山犬のように顎の発達した細身の男と、恰幅の良い陰険な目つきの男と、豆のように丸い小柄な男と、タコのように体をくねらす男は、明らかに能力者と分かるオーラを身に纏っている。実物を見た事はなかったが、風貌から十老頭ご自慢の実行部隊「陰獣」であろうとミズキは思った。

 ミズキは細く長く息を吐くと、双眼鏡の倍率を最大にあげ焦点を大男の唇へと当てる。戦闘では勝てないミズキが今この場でできる事は、できる限りの情報を拾い上げる事であった。

「こう、ばい、いんは……どうした。こうばいいん? いや、『競売品はどうした』、か?」

 戦闘間合いギリギリで睨み合う陰獣と大男とが交わす言葉を、目で必死に追う。

「けいび、と、きゃくはどうした。……『警備と客はどうした』か。なんだこれは……」

 陰獣側が盗賊集団に競売品のありかを聞くのなら分かる。しかし、「競売品はどこだ?」と聞いたのは大男の方だった。一体これはどういうことなのだろうか。ミズキは大男と陰獣のやり取りを固唾を飲んで見守りながら、高速で頭を働かす。

 そもそもあの集団は、逃げ切れる実力がありながらなぜこんな所で戦っているのだろうか。先ほどまでは疑問にも思わなかったこの状況も、冷静に考えればおかしかった。

 まず一つ目に、なぜあの大男は一人でコミュニティーと戦っているのかという点。追い詰められて気球から降りざるを得なかったのならば、時間短縮のためにも総員で戦いを挑むべきである。二つ目に、なぜ後ろにいる連中は悠長にトランプ遊びをしているのかという点。大男が一人での戦いを好む人物だったとしても、逃げている最中ならば直ぐにでも撤退できるよう準備しておくべきである。

 しかし、彼らはその二つのどちらもしていない。まるで彼らは後から来る何者かを待っているようなそぶりである。その待っていた何者かとは誰のことであろうか。それは火を見るよりも明らかであった。

「……陰獣」

 奴らは陰獣が来るのも待っていた。そう考えれば全て辻褄が合う。

「くそっ、ヴォルゲンの野郎……」

 ミズキはギリと歯ぎしりした。
 盗賊集団は競売品を奪おうと画策したが肝心のお宝を手に入れることはできなかった。これは先ほどの大男の言葉と一致するので、おそらくその通りなのだろう。そして、最後の疑問。なぜ奴らが危険をおかしてまで陰獣を待っていたかという点。これは、陰獣の誰かが事前に移動した競売品のありかを知っており、それを彼らは聞き出そうとしているからなのではないかと考えれば納得がいく。

「あいつ、あの時点でお宝が無いことを知っていたな?」

 末端の組織員ならいざ知らず、コミュニティーの上層部が競売品を移動したことを知らないはずがない。ヴォルゲンを含むコミュニティーの上層部は、事前に襲撃の情報を手にし秘密裏に競売品を移動していたのだ。内通者がいるのだろうか。それともこの襲撃自体があらかじめ予定に組み込まれているのだろうか。どちらにしても胡散臭いことこの上ない。

 ミズキは前々からマフィアンコミュニティーが一筋縄ではいかない集団だと理解していたが、この時ほど闇でうごめく得体の知れない存在に強い嫌悪感を感じることはなかった。

「どちらにしも、だ……」

 陰獣の四人は大男相手に引けを取らない戦いをしていたが、例え四人であの大男を倒したとしても後ろには似たような実力の持ち主が六人も控えている。陰獣たちが負けるのも時間の問題であった。ミズキは今自分にできる事は情報を収集することだと、携帯電話のカメラを双眼鏡のレンズに押し当て、大男と後ろにいる他の盗賊たちの顔を画像に収めてゆく。

「え……ちょっと待て……あれは……」

 戦いの最中、四人の陰獣に一斉攻撃をされた大男が渾身の右ストレートを地面に叩きつけると、大男の服がその衝撃でボロボロになり大男の背中に刻まれているものが露わになる。それは蜘蛛――背番号入りの十二本足の蜘蛛のタトゥー、裏の世界の人間なら誰しも知っているであろうA級賞金首『幻影旅団』のシンボルマークであった。

「マジ、かよ……」

 ミズキは声を失った。
 当たり前だ。幻影旅団のその名は悪名高く、その強さはあの暗殺一家ゾルディック家と対をなすほどである。幻影旅団に狙われ一度でも彼らの強さを間近で見たことのある人間は、以後彼らの脅威をまるで人力の及ばない自然災害のように捉え、その名を聞いただけで震えあがるようになると言う。ミズキは今までその言葉をただの誇張表現だと思っていたが、大男の桁外れの強さを目の当たりにした今、その表現はただの誇張表現ではなかったと納得せざるを得なかった。


「おいクラピカ! 何をするつもりだ!」

 ふと風下から声が聞こえ、警戒しながら声の聞こえてきた方に視線を送ると、そこには慌てた様子で口論をする集団が居た。数は四人。全員私服で、それと分かるシンボルマークを付けていない。集団の側に停められた黒塗りの車もその四人も、大男と陰獣からは見えない岩陰にあったので、さしずめ、彼らはコミュニティーの誰かの私設護衛団で、盗賊を追ってここまで来たはいいが大男のあまりの強さにどうすべきが良いか判断しかねているか、あるいは、初めから監視役としてあの死角に陣取っている集団なのであろうとミズキは思った。

「今、ダルツォルネに指示を……」
「関係ない」

 クラピカと呼ばれた金髪の少年は、仲間の制止を振り切って幻影旅団の方へと歩き始める。全くの犬死にだ。何とかして止めなければ……と、身を潜めながら岩壁を降りてゆこうとミズキが動き始めた瞬間、まるで春の野に降り立ったような爽やかな光景が広がり、ミズキは驚愕の形相で硬直した。

「落ち着いたかしら?」

 一番小柄な、おそらく女性と思われる人物がクラピカへと優しい笑顔を向けると、クラピカの顔から目に見えて怒気が消えてゆく。おそらく、今の春の野のような光景はリラックス効果でもある女性の念だったのだろう。他人といえど、目の前でこれ以上誰かが死ぬのが嫌だったミズキは、クラピカの暴走が止まったことに安堵の息を吐いたが、それと同時に無防備状態であった自分を叱責した。

 もし、あの女性の念がリラックス効果のあるものではなく、攻撃衝動や破壊衝動を高める効果のあるものだったら、自分は明らかな実力不足であっても岩陰から飛び出してあの大男に攻撃を仕掛けていたかもしれない。ミズキは大きく深呼吸をすると、最低限のオーラを耳にまとい、また岩陰に身を潜めた。

「シズク、俺の体内の毒とヒルを吸い出してくれ! お前の掃除機ならできるだろ!」

 四人の陰獣を全て倒した大男は、攻撃の衝動で凹んだ地面に腰を下ろしながら、崖上にいる旅団の仲間へと大声で声を掛ける。

「デメちゃんはー、毒は吸えるけど生き物は吸えないよー!」

 眼鏡をかけた細身の女が、大男へと返事をする。どうやら大男は毒とヒルで動けない状態らしい。もし、襲うのならばあの大男が一番良いだろう。クラピカがそう思ったかどうかミズキには分からなかったが、クラピカの鋭い視線はあの大男の向かっているように思えた。

 クラピカは目をそっと閉じ、右手を前に差し出した。右手のそれぞれの指には鎖付きの銀細工の指輪がはめられている。あれが念に関するものならば、彼は操作系か具現化系に属する能力者だろうと、ミズキは岩陰から盗み見ながら思った。その中の一本。中指の指輪から垂れ下がった鎖が、クラピカのオーラの高まりとともに小刻みに動き始める。

 その後はもう一瞬の出来事だった。カッと目を開いたクラピカが右腕を振ると同時に、中指の鎖が弾丸のような速さで飛んでゆき、くつろいでいた大男を絡め取ったかと思ったら、次の瞬間にはもうクラピカの足元に鎖でがんじがらめになった大男がいた。三秒と掛からない早業であった。

「逃げるぞ!」

 四人は大男を後部座席に詰め込むとそのまま急いで車に乗り込み、タイヤをキュルキュル鳴らして走り去って行く。三十秒としないうちに車は荒野の彼方へと消えた。

「凄え……あの金髪の奴、本当に宣言通り旅団を捕まえやがった……」

 いくらあの大男が毒とヒルに体を蝕まれていようとも、数メートルと離れていないところに同じような実力者が六人もいるのだ。あの大男を捕らえられたのは純粋にクラピカの鎖の操作練度が旅団以上に高かったのだと言えるだろう。ミズキはクラピカへと心からの賞賛を送りながら、車を強奪して猛スピードで追い始めた残りの旅団員から逃げ切れるよう、聞こえないと知りながら「頑張れよ……」とエールを送った。


 乾燥した風が、何人もの死体が転がる荒野を砂塵を巻き上げて吹き抜けてゆく。二台の車のエンジン音はもう聞こえなくなっていた。

「終わっ、た……」

 圧倒的強者である旅団員は全員荒野の彼方へと消え、殺される心配はもうなくなった。緊張の糸がプツンと切れたミズキは、虚脱した肢体を岩場へと預けて空を仰ぎ見た。天空では、死屍累々と重なる地上の光景が嘘のように、美しい満天の星空が広がっている。

「綺麗……」

 隣には、はらわたをぶち撒けたまま虚空を見つめ続けるアルファの亡骸と、瞳どころか顎から上が一切ないベータの亡骸が転がっている。大男が暴れていた崖下では、恐怖で顔を引きつらせたまま絶命した男たちの亡骸が、積み重なるように転がっていることだろう。それでも、星空は綺麗だった。

「う、くっ……」

 死は怖くはない。死体だって今まで数え切れないほど見てきた。それにも関わらず、ミズキはまるで胃の内容物が逆流するような言葉に表せない感情に襲われ、両手で顔を覆った。この感情が、極度の緊張からの解放なのか、襲われる恐怖を今更ながらに実感したのか、言葉を交わした人間が一瞬で物言わぬ亡骸になった事への悲嘆なのか、生き延びた事への喜びなのか、死は怖くないと言いながら未だに生にしがみ続ける浅ましい己への嫌悪なのか、分からない。もしかしたら、その全てではないかもしれないし、その全てなのかもしれない。

 荒地の埃を含む風が、コミュニティーの男たちが乗り捨てた車の間を複雑に吹き抜け、ひゅう……っと口笛を吹いたような音を立てる。死体から放たれた濃厚な血の匂いが、風に乗ってミズキの鼻まで届く。鉄臭い嫌な匂いだった。

『どうして俺を殺したの?』

 突然地を這うような声が耳に響き、ミズキは体を強張らせた。手の隙間からおそるおそる様子を見ると、そこには恨めしそうな顔をした血だらけのアルファがいた。周囲に立ち込める血の匂いがさらに濃くなる。

『ねえ、なんであんたは生きてるの? 俺はまだ死にたくなかったのに…… ねえ、どうして?』

 今度は顔のないベータがのそりと近寄りながら、青白い手をミズキに伸ばす。二人とも、ミズキに怨みがましい目を向けている。吸い込んだ空気から血臭と死臭がむわんと広がりミズキは咳き込んだ。

「ひっ……」

 足首に冷たい手の感触を感じ、ミズキは短い悲鳴をあげる。血だらけの女が、ウェーブの掛かった黒髪を揺らしながら地べたを這い、氷のように冷たい指をミズキの足首へと伸ばしている。

「ア、マンダ……」

 存在するはずないものをこうやって何度も目にしていたミズキは、この瞳に映る見えざるものたちが己の作り出した幻覚だということを、誰よりも知っていた。しかし、それでも足元に縋りつく女を目にしたミズキは、顔を一瞬で青くし歯をカタカタと震わせることしかできなかった。

「あ、違っ……違う……私、私じゃない……」
『何を言っている。良い加減認めろよ、お前だろう? これをやったのは』

 いつの間にかミズキの背後に現れたミズキと全く同じ顔をした物体が、にたにたと唇を吊り上げて笑っている。ミズキの足首を掴んでいた女は、腹這いのまま上体をずり……ずり……と動かし、ミズキの首へとその氷のように冷たい手を伸ばしている。ミズキは引き攣った顔のままパクパクと口を動かすだけで、悲鳴の一つもあげることができない。

『嫌か? 嫌だったらさっさとこちらに来れば良い。ふふ……ここは苦しみとは無縁の良いところだぞ? さあ……こっちに堕ちてこい』

 以前は月に一度くらいしか現れなかった『それ』は、ここ最近昼に夜に現れてはミズキに囁きかける。時には自死を、時にはオーラの解放を、時には気狂いへの道を、甘く優しい声色で囁く。アマンダの仇を討つまでは死ねないと現れる度に跳ね除けても、それは諦めずに何度もやってくる。その度にミズキは神経をすり減らして身も心もボロボロになるのだった。

『ただ一言こちらに来る、そう言えば全てが終わるんだ。さあ、言え……言えば楽になる。言うんだ……』

 女の髪と腕で動きの取れなくなったミズキの頬を撫でながら、それは優しい声で耳元に囁きかける。疲れ切っているミズキは、指一本動かすこともできない。しかし、ミズキは最後の力を振り絞ってそれを睨みつけると、ぺっと唾を吐きつけた。

「う、ぐっ……消、えろ……」
『チッ……また来るぜ』

 ミズキと同じ顔をしたそれは恨めがましい顔でわざとらしく舌を打つと、そのまますーっと消えていった。

「うっ、ゲホッ、ゴホッ……」

 いましめから解放され、ミズキは地面に両手を付きながら咳き込んだ。その顔は自然と流れ出た涙でぐちゃぐちゃだった。

「立ち、止まるな……着実に前には進んでるんだ……ゲホッ、ゴホッ」

 コミュニティーが全滅したこと。敵は幻影旅団であったこと。隠獣四人が倒されたこと。旅団員七名の顔写真を撮ったこと。金髪の少年が旅団員の一人を捕まえたこと。報告しなければいけないことは沢山ある。考えなければいけないことも沢山ある。こんな場所で立ち止まってなんかいられない。

 しかし、ミズキは流れ出る涙を止めることは出来なかった。苦しい。苦しい。苦しい。『あれ』の言うとおりさっさと死ねばこんな苦しい想いをしなくて済むのに……。自分で撥ね付けておきながら、ミズキの頭は死への誘惑を完全には拭いきれていなかった。

「会いたい……会いたい……」

 誰に会いたいと言うのだろうか。アマンダはもういないというのに……。ミズキは自分でも分からなかった。ただ、無性に誰かに抱き締めて貰いたくて仕方がなかった。砂塵混じりの乾いた風が、脂汗でベトベトになったミズキの顔を乱暴になぶってゆく。上空では相も変わらず星がキラキラと美しく光り輝いていた。


 コンクリート壁に染み込んだ雨水がどこかでぴちゃん、と音を立てている。ヨークシン郊外にある廃墟街。都市開発から取り残されたそこは、長年人の手が入っておらず、風化に任せるまま朽ち果てた廃墟ビルが、雨後のタケノコのように軒を連ねている。

 廃墟街に入りいくつか角を曲がった所にある朽ちたビルの一室では、宵闇の中でぼんやりと浮かび上がる蝋燭の灯りが、その横に座るオールバックの男の端整な横顔を照らしている。額には逆十字のタトゥーが刻まれていた。

「あっと、忘れてた。今日人と会う約束をしてたんだ」

 演技のかかったようなひょうきんな声が、静寂を破って薄暗い室内に落ちる。その声に、オールバックの男とその脇に立つ三人が、声の主へと目を向ける。声の主は奇抜な格好に身を包んだ赤髪の男――ヒソカだった。

「行ってくるよ?」

 ヒソカはオールバックの男――幻影旅団の団長クロロ=ルシルフルへと、問い掛ける。ヨークシン郊外の廃墟街――仮宿で待機するよう命じられた旅団員、パクノダ、フィンクス、コルトピ、ボノレノフは、ヒソカがどんな行動を取ってもいいよう体に僅かに力を込めながら、クロロへと視線を向ける。

「ああ、構わない。明日の午後六時までに戻ればな」

 クロロは手元の本に視線を落としたまま返事をする。団長が許可をしたのなら旅団員が出る幕ではない。ヒソカは、じとりと視線を向けるパクノダたちを振り切って、出口へと歩き出した。

「……悪巧みか? ヒソカ」

 ふいに後ろから声が聞こえ、ヒソカは振り返った。クロロは手元の本へと視線を落としたまま、顔をあげようともしていない。ヒソカがどんな行動を取ろうと計画には微塵の支障もきたさない。全てがオレの手の内にある。まるで、そう言っているかのような表情だった。

「もちろん」

 その余裕を崩したい。全てを剥き出しにさせたい。スカした顔の裏にある感情を見てみたい。ヒソカの中に悪戯心が湧き上がる。

「ねえ、団長。……ボクがこれから会う相手、気になるかい? これくらいの背の、小さくて、誰よりも努力家で、ひたむきに一つの事だけを求め続ける……とっても可愛いコなんだ◆」

 その時になってようやくクロロは本から顔をあげた。側に控えるパクノダたちはクロロの一挙手一投足に意識を向けている。沈黙の中、ヒソカとクロロの視線が交わった。

 ぴちゃん、とどこかで落ちた雨水が小さく音を立てる。宵闇のように黒い双眸の中では、映り込んだ蝋燭の光がクロロの感情を表すようにチラチラと燃え動いている。

「興味ないな」

 今の言葉が誰のことを指しているか、聡明なクロロが気づかないはずがない。所有印を首に残し、枷のような腕輪を渡し、切なそうな顔できつく抱き締めていた相手に興味がないわけがない。予想通りとはいえ、団長としてこの場にいる彼はやはり団長としての言葉しか返さなかった。

「……嘘ばっかり」

 誰にも聞こえない声でそう言うと、ヒソカは仮宿を後にした。




[18.9月1日 5/6]


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