ジャックさんへの愛の日記(雑な字で書かれている)*



私はいつのまにか彼が殺人鬼であることを忘れていました。たまたま外に出た時に、彼に会いました。いや、たまたまではなかったのかもしれません。
名前を読んで声をかけても、彼の様子がおかしいままでした。いつもなら、出会えば紳士的な挨拶をしてくれるはずなのに、今日はずっと黙ったままこちらを見ていたのです。
一体どうしたのか、そう問いかけると、彼はやっと答えてくれました。
「ずっと考えていたんだ。美しい君を更に美しくする方法を」
その言葉に、私は震えました。一瞬彼は私を殺したいのだろうか?と考えましたが…いや、それしか考えられない発言だったのですが、私はそれを信じたくはなかったのです。なので、逃げるということをしませんでした。
何を言っているのか、一体どうしたのか、それを聞くと、彼は私に刃を振り下ろしました。今はゲームの最中ではありません。私の体からは血が溢れました。一瞬何が起こったか理解できずにいましたが、痛みを感じた瞬間、逃げなければと本能的に思い私は足を動かしました。後ろから聞こえる、愉快そうな鼻歌は気のせいだと思いたいものでした。
慌てて、逃げるということ以外考えずに私は寮へと帰りました。私は一応、チェイスに特化しているサバイバーでしたので、逃げ切ることができたのです。しかし、寮には誰もいませんでした。段々と血が流れてくるものの、思った以上に深くは切られていないらしく、ここまで記すことができました。この荘園にいる以上、日記を書くということが染み付いているようです。ですが、そろそろ限界も近いでしょう。この日記を読んだ方は、どうか彼を攻めないでください。私はこれでも彼が好きだったのです。彼に美しいと思ってもらえるのなら、私はこれをうけいれます。ふしぎと今はもうこわくありません。だからおちついて文がかけたのでしょう。どうせこのままでも死ぬのですから、もういちど彼に会いにいこうと思います これをよんだ方は、彼がせめられないよう他の方にはひみつにしてください







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