トレイシーちゃんが好きすぎる男主



「なぁ、ナマエは誰が一番可愛いと思う?」

対戦前の待機中。ゲームに参加するメンバーを待っている間、ウィリアムが突然、俺に話しかけてきた。

「え?」
「だからー、この荘園で誰が一番可愛いと思う?」
「そんなのトレイシーに決まってるだろ」
「おまっ、トレイシーってあの、坊主みたいな!?」
「何言ってんだよ!あの可愛さがわからないのか」
「俺はセクシーなのが好みなんだよ!……それにしても意外だな、てっきりナマエは巨乳好きかと」
「トレイシーに失礼だろ!それにトレイシーはちゃんと胸あるから!赤ずきんの服を着てるトレイシー見たことないの!?」
「あ、まて、ナマエ、それくらいに」
「あれは露出が激しくてゲームに集中できない!俺がハンターならトレイシーのこと絶対攻撃できないよ。あんなに可愛いのずるいし胸元なんてもう別のランク戦誘ってるよね」
「……俺は知らねえぞ」
「え?」

ウィリアムの様子に気が付き、嫌な予感がして後ろを見ると、顔を真っ赤にしてぷるぷると震えているトレイシーがいた。そうだ、今日のメンバーにはトレイシーもいたんだった!

「あっ、ちがっ、これはそのっごめんなさい!!」
「ナマエのばかーー!!」

トレイシーはしばらく、ゲーム中でも口を聞いてくれなかった。







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