イライくんに占ってもらう話



「ねぇイライくん。イライくんって占えたりする?」
「できなくはないぞ。」
「じゃあお願いしてもいい?」

イライくんって占い師という名前だけど、占えるのかな?ふとそう思って聞いてみると、できるらしい。お願いしてみると、彼はこくりと頷いてくれた。

「じゃあ…手を出してくれないか?」
「うん。」

言われた通りに手を出すと、次は「じゃあ僕の手を握ってくれ。もちろん恋人繋ぎで。」と言うイライくん。恋人繋ぎで占えるんだ、すごい…!手を出すってことは手相を見るのかと思ってた。イライくんは占いの最先端を行っているのかもしれない。そう思いながらぎゅっと握ると、イライくんは満足そうに微笑んでいる。……結果は?

「じゃあ次は…抱きしめてくれないか。」
「そんな占い方あるの!?」
「もちろん。」

へぇー、ハグする占いなんてあるんだ…?ハグしたら結果が出る感じなのかな?そう思いながら抱きつくと、ぎゅうっと優しく抱きしめかえされる。そして私の首筋に顔を埋めてくるイライくん…さ、流石にそんなことされると照れる。息が当たってくすぐったくて、ついドキドキしてしまう。顔が赤くなる前に離して欲しくて、「結果は?」と聞くと、イライくんはゆっくりと抱きしめるのをやめて口を開いた。

「そうだな…恋愛運が凄く良いぞ。もっとも近くにいる人が運命の相手だそうだ。」
「へぇ…もっとも近くにいる人かぁ…誰だろう。イライくんありがとう!」

れ、恋愛運かぁ…!!もっとも近くにいる人って、占った本人であるイライくんは含まれてないよね……そう考えると、悲しくなった。とりあえず、先程から胸の高鳴りが止まらないことがバレたくないので、「じゃあね!」と言って去る。後ろから引き止める声が聞こえたような聞こえなかったような…。







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