愛し合うと、付き合わないといけないだろうか?



※ネガティブイソップカール


「イソップくん!」

こうして、こんな僕に声をかけてくれる彼女に、いつしか惹かれていた。今まで人と関わることが苦手で、話すことすらまともに出来なかった僕が、だ。もちろん、彼女と話すのは得意なのか?と聞かれたら答えは「いいえ」だが。

「ナマエさん、こ、こんにちは……」
「こんにちは!」

挨拶できた……良かった。周りから見たら普通のことなのかもしれないが、僕にとっては大きなことだ。

「あのさ、イソップくん……ちょっと話があるんだけど、いい?」
「う、うん。」

挨拶ができたことで浮かれていたら、なんと彼女から話があるらしい。ここが食堂だからか、彼女はついてきて、と人気のない場所に行こうとしている。大人しくついていくが、なぜか周りの人がニヤニヤしていて居心地が悪い。
……話って……?話しかけないでほしいとか?近寄らないでほしいとか?どんどん嫌な想像が膨らみ、頭がパンクしそうになる。だめだだめだ、落ち着かないと。
そう考えていると、人気のない場所につき、彼女はなぜかもじもじとしながら口を開く。

「私、その……イソップくんのことが好きです。急にごめんね。」
「……?」
「私で良ければ、付き合ってくれませんか?」
「…………??」

ナマエさん、今なんて?す、すき?つきあってって、どこに!?
今までの人生で初めてこんなことを言われたもんだから、意味はわかっているはずなのにパニックになってしまう。ナマエさんの頬は桃色に染まっており、僕をじっと見つめている。か、可愛い……。これは、きちんと返事を返さないと……ちゃんと僕で良ければ付き合ってくださいって言わないと……!でも、この僕が付き合う?そんなこと、いいの?あ、ナマエさん返事待ってる。早く言わないと……!

「愛し合うと、付き合わないといけないのだろうか?」

あぁ!違う!







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