ウィリアムはしょうがない子



「ナマエ〜!!」
「うぐっ!!」

ウィリアムは、いつも私を見かけるたびに抱きついてくる。それは良い、それは良いのだが……自分がハンターを気絶させるほどの力があることを考えて欲しい。タックルされているわけではないけど、毎回毎回勢いよく抱きつかれたら気絶しそうになる。
そして今日も私は、女子とは思えない声を出してしまった。

「あ……悪い、大丈夫か?」
「優しく、優しくお願いします……」

そう言うと、ウィリアムは私を離した後にもう一度優しく抱きしめてきた。……そういうことだけど、そういうことじゃない!!と、心の中で突っ込みつつもそんなウィリアムが可愛く思えて、抱きしめ返すと嬉しそうに笑うもんだから頬が緩んで仕方がない。
全く、しょうがないなぁ。次に会う時も勢いよくきっと抱きついてくるだろうから、その時も受け止めてあげよう。







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テーマ「人外ファンタジー」
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