バカップル
「はいはい、イケメンが通りますよ〜」
そう言って、テレビを見ているサンズの前を横切る。すると、
「……ナマエ、それ言って悲しくならないのか?」
と、サンズが割と冷めた目をしながら言ってきた。つらい。
「遠回しにアンタはイケメンじゃないっていうのやめてくれない!?」
そう言うと、サンズはへへへと笑う。否定せんのかい。どうせ俺はイケメンじゃないですよー。と口を尖らせつつ、お菓子を持ってきてサンズの隣に腰かける。そしてお菓子の袋を開けようとしていると、
「まぁ……オイラはアンタの顔好きだけどな」
と、サンズが俺の肩に寄りかかり、頭を乗せてきた。好きと言う言葉。肩に少しの重み。思わず思考が停止し、ピシリと固まる。
……え、なんて?サンズが、俺に、甘えてる……?サンズの顔をチラリと見てみると、見えづらいが照れているのか頬が少し染まっている。もう、お菓子なんて一気にどうでも良くなり、サンズの手をぎゅっと握りしめた。硬いけど、白くて可愛い手だ。
「サンズって、ずるいよね。サンズ好きすぎて死にそう…死んじゃうよ俺……」
「それは困るな」
サンズを見ると、目が合った。幸せを噛み締めながら微笑むと、サンズも微笑み返してくれた。その笑顔が可愛くて可愛くて好きが止まらない。
「サンズ、好き……サンズから甘えてくることってあんまりないし、すごく嬉しい。すっごい幸せだよ、俺。サンズ、大好きだよ」
サンズへの気持ちが溢れに溢れて思わず言葉にしてしまった。サンズの頭に唇を落とし、サンズを見てみると、握っていないほうの手で顔を抑えている。隙間から見える頬は染まっており、照れているようだ。……え、俺のサンズ可愛すぎない?
「……サンズの気持ちも聞きたいなー……」
そう言ってみると、サンズは「ヴ」と声を発し固まった後、渋々顔から手を離し、俺の目を見ながら
「……そりゃ、もちろん……好きに決まってるだろ。」
と言ってきた。……もちろん、押し倒した。
──
診断メーカー:この台詞で素敵な作品を
【サンズ】
「はいはい、イケメンが通りますよ〜」