今日はトパーズの耳飾りをつけてみた。リンクのくれたアクセサリーを日替わりで身につけるたびに、リンクは「可愛い」とか言ってくれるようになった。最初は照れくさくって、やめてと言っていたが、今ではなんだかんだその言葉を求めている自分がいる。最近では、リンクのこと好きなのかな、とか思ったりもする。でも、認めてしまったら負けな気がする。負けだ、うん。

「耳飾り似合うね。可愛い」
「うぇわっ!?いつの間に!?」

家の花壇に水をやっていると、いつの間にかリンクが後ろに立っていたのにビックリしてジョウロを落としそうになった。私のビックリした顔がおかしかったのか、リンクは笑い出した。

「もーー!ビックリしたじゃん!」
「ゴメンゴメン。もう一つ驚かせたいんだけどいい?」
「え、なに?なにするつもり……?」

リンクのことだから何をしてくるかわからないので、なんとなく身構える。

「俺、ハテノ村に家買いました!」
「え、え、ええ!?!?」

とっても爽やかな笑顔でそう報告してきたリンクに死ぬほどビックリした。身構えた意味は全くなかったようだ。

「え、ほんとに?どこ?空き家あったっけ?」
「村の外れらへんにあるよ。……遊びに来る?」
「行く行く!行きたい!」

リンクの家とかめちゃくちゃ気になる!!
と、私はジョウロを置き、リンクにてくてくとついて行った。

大きい家の前に”リンクのおうち”と看板が立っている。おうちって、可愛いな。そして隣の木の下に、なんか見たことあるような気がする男性が三人座っていた。そうだ、このピンクのハチマキを巻いているのはサクラギさんだ!話したことはないが、何度か見かけたことがある。子供達にダンスを広めてるとかなんとか…。と、じろじろ見てしまっていると、声をかけられた。

「あら〜、彼女かしら?」
「えっ!」
「あはは、違いますよ」

サクラギさんの質問にドキッとしたが、爽やかな笑顔で否定したリンクにモヤモヤする。なんか複雑!
そう思っていると、サクラギさんが私たちを見てニヤリとした。

「ははーん、なるほどね」
「わかりましたか」
「わかりやすいわよ、頑張って〜!」
「はい」

いや、サクラギさんはこの短時間で何を理解したの?と、疑問符が頭に浮かぶ私を気にすることなく、二人は会話を続けた。

「んじゃ二人でおうちデート楽しんで来なさい!」
「ぅおうちデート……!」
「……いや、ナマエ、今更じゃない?」
「えっだって……うん」

サクラギさんの言葉に赤くなった私を、リンクが今更だと指摘してきた。たしかに、今までおうちデートと言われるのかもしれないようなことはたくさんしてきたが…言葉にされると照れてしまう。言葉にするの禁止ね!
そう思っていると、リンクが微笑みながらぽんぽんと頭を撫でてきて、余計に顔が熱くなるところだった。不意打ちも禁止!

そして、リンクが家のドアを開けて「ナマエ入って〜」と言ったので、「おじゃましまーす…」と言いながら入ってみる。
中を見ると、様々な武器が壁に飾られており、おぉと思わず感心の声が出る。すごい…!お洒落なテーブルを見て、リンクがこういう飾り付けとかできるのか…?とちょっと疑問に思うも、お互い椅子に腰かける。

「あ、ナマエ、絶対俺以外の男の家、誘われても行っちゃダメだからね?」

と、絶対のところを強調してそう言ってきたリンク。唐突だな。

「え?うん。てか、リンク以外に誘われることないと思うけど……」
「もし誘われても絶対ダメだからね!」
「あはは、なんでそんな必死なの?わかったよ」
「後、これあげるね」

と、またしても唐突に、リンクが何かを取り出した。

「……ん?……なにこれ」
「護身用のゲルドのナイフだけど?」
「えぇ……別にいらな」
「ついでにゲルドの盾もあるんだ。女の子にも使いやすいと思うしナマエに持っててほしくて!」

そう言いながらリンクはまたもやどこからか盾を取り出した。その盾には宝石が沢山散りばめられており、とても綺麗だが…

「まず使うときないよ、私村から出ないのに……」
「村にも魔物がいるよ!!男という名の!!」
「じゃあリンクさんも魔物なんですけど!!」
「俺はいいの!!」

なんだこいつ。







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