次はきっと会えるさ



7年。僕はそんなにも長い間ナマエを一人にさせてしまった。また会いに行くと言ったのにも関わらず、だ。気が付いたら大人になっていて、初めに浮かんだのはナマエの顔だった。今まで眠っていたとかその理由を話すわけにはいかないだろうし、僕を許してくれるかわからないけど。それでも一番に会いにいかなくちゃと思ったんだ。

でも……7年後、君はこの世にいなかった。

なんでしんじゃったの……?と泣きそうになっていると、村の人たちが慰めてくれた。村の人たちによると、魔物によって殺されてしまったというのだ。彼女は一日中ハイラルを駆け回る生活を送っていたらしい。彼女に魔物に勝てるほどの力はないというのに。
どうして、ナマエは危険なハイラルを駆け回っていたんだろう?子供の僕にはわからなかった。僕にとっては昨日まで君は笑ってたのに、死んじゃっただなんて。
僕はナマエのお墓の前で、ただ泣きじゃくることしかできなかった。

──どうやったらナマエを止められるだろうか?
7年間は何もしてあげられないけど、7年前になら何かしてあげれるはず……!僕はそう思って時の神殿へと走り、マスターソードを台座に挿した。




「リンク、どうしたの?そんなに走って……息切れしてるじゃん」

ナマエの住むカカリコ村に行くと、彼女の姿があった。再び会えたことが嬉しくって、思いっきりぎゅっと抱きしめると、ナマエはビックリしたようで、「ちょっ!?な、なに?え、どうしたの!?」と言いながら顔を真っ赤にしていた。そんな名前が可愛くて、安心した。今までこうやってまた会えることが当たり前だと思ってたけど、そんなことないんだ。こうして抱きしめることが出来るのも、一つの奇跡なんだ。と、ちょっと大人みたいなことを考える。ナマエはちゃんとここにいる、と実感できたので抱きしめるのをやめて、僕は話し出すことにした。

「あのさ……これから僕が7年間いなくなるって言ったらどうする?」
「え……それはどうして?」
「例えばの話だよ」
「うーん、まぁ、待つかな。でもその間にリンクのこと忘れてるかもね」

冗談だと思っているのだろう。彼女はケラケラと笑っている。でも、僕がちょっと暗い表情をしていたのか、本当のことだって気づいたみたいだ。

「え……もしかして本当にいなくなったりするの?」

そう言う彼女の顔はとても悲しそうで、僕は心が痛くなった。

「えっとね……もしかしたら、なんだけどね、いなくなるかもしれないんだ。……でさ!その間、ずっとここでまっててよ」

ここ、とはカカリコ村のことだ。決して魔物のいる外に行かずに、ずっとここで待っててほしい。それが僕のねがいだ。

「……7年も待ってあげないもん!会いに来てくれなきゃやだよ!」

ナマエは少し涙目になっている。そんなに僕がいなくなることが悲しいの?と、ちょっと嬉しくなったがそれは秘密だ。

「ごめん、僕……絶対会いに来るから!」
「……その7年の間に私のこと、忘れたりしない?」
「しないよ!絶対会いに来る!」

そう言うと、

「……しょうがないから待ってあげる!でも、7年経っても会いに来なかったらハイラル中走り回って探してやるんだから!」

と、ナマエは泣きながら言って、僕に抱きついた。その言葉に僕はハッとする。もしかして……僕を探してハイラルを駆け回って、ナマエは死ぬ羽目になったの?僕のせいだったの?自分の定められた宿命に、思わず泣きそうになった。……でも、ここで泣いたらカッコ悪い。ぐっと涙を堪えて、「ありがとう、ナマエ……」と言いながら、力強く抱きしめた。







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