ハガレンの人造人間夢主がブレワイにトリップした!1〜3



【ハガレンの人造人間がブレワイにトリップした!】(夢主は100年前からいる設定です。寿命の長い夢主が都合が良かったというだけなので、ハガレンは正直関係ないです)
・100年後、シド


「前から気になっていたんだが……なんでハイリア人なのに、100年経っても成長しないんだ?」

ゾーラの里を二人で見下ろしていると、ふと、シドがそう訪ねてきた。

「んー……ちょっと他の人と変わってるからかな」

私が人造人間であることは、誰にも言うつもりはない。というか、言わない方がいいだろう。そう思い、こういう質問をされた時は誤魔化すようにしている。

「その丸い耳と関係があるのか?」
「まぁ、そんな感じだね!」

適当に答えると、シドは目をキラキラさせて、嬉しそうにガッツポーズをした。

「凄いゾ!ハイリア人は寿命が短いから、普通ならもういないかもしれないだろ?出会ってから100年経ったのにまだ一緒にいられるなんて最高だゾ!」
「嬉しいこと言うな〜。たぶん、シドと同じくらい生きられると思うよ、まぁゾーラ族の寿命よくわかってないけど」

ゾーラ族ってもしかして私より長生きなんだろうか。シドって他のゾーラ族より大きいし、もっと長生きしそう…。シドを見ると、何やら考える表情をした後、何か良いことを思いついたのか嬉しそうな様子で私の両手をガシリと掴んできた。

「良いことを思いついたゾ!オレと結婚しよう!」
「!?」

全力で断った。





【ハガレンの人造人間がブレワイにトリップした!2】
・100年前、リンク


私はゼルダ姫に戦士としてスカウトされ、ハイラル城に住まわせてもらっている。そして、私はなぜか、英傑の一人のリンクに懐かれている。私がちょっとでも重たい物を運んでいると、

「持つよ」

これである。当たり前のように私に手を差し出す男・リンク。

「別に大丈夫だよ」
「いいからいいから」

私は人造人間だし、力がある方だ。なのに、リンクは私をか弱い人間のように扱う。私から荷物をヒョイと取り上げると、「どこまで運ぶの?」と最後まで付いて来る。

こんな事が何回か続き、いつのまにか普通に喋る仲になっていた。人間の中では、特別仲の良い男だと思う。私がこんな風にお喋りする時間が続けば良い、と思うほどには。
しかし、ガノン討伐の日が近づいてきた。リンクはもちろん英傑の一人だから戦わなくちゃならないし、私を拾ってくれたゼルダ姫もやらなければいけないことがある。もちろん私も戦うが、重要な役は出来ない。この計画は果たしてうまくいくのだろうか?うまくいかなかったら、私の周りの人間は……。

「……あのさ、ガノン討伐が終わったら、俺と結婚しない?」
「は?」

リンクと二人で話していると、いきなりプロポーズされた。思わず思考が停止する。え、このタイミングで?私、一番好きな献立の話してたのに。

「え、普通に断るけど」

人造人間だから子供作れないもん。だから私は誰とも結婚しないって決めている。というか、プロポーズされる日が来るとは思わなかった。嬉しくないと言えば嘘になるけど、断るったら断る。

「え、なんで?結婚しよう?」
「モテてるからって調子に乗らない」

リンクは身長は低いけど(本人に言ったらめちゃくちゃショックを受けた表情をするので二度と言わない)、騎士家系の出身で若くして近衛騎士に選ばれるというエリートだからモテる。きっと、告白されたことだって沢山あるだろう。でも、だからって、付き合ってもない人にいきなりプロポーズしてうまくいくわけがないでしょ…。

「えーーー……えー……」
「そんな子犬みたいな目してもダメったらダメ!」

この後ガノン討伐の日になるまで毎日プロポーズされることになるが、全力で断った。





【ハガレンの人造人間がブレワイにトリップした!3】
・100年後、リンク


100年間回生の祠で眠っていたリンクは、私のことは覚えてないみたいだ。
回生の祠から出てきたリンクに、「やっと起きたんだね」と声をかけると、誰だお前という顔をされた。そして、「どちら様?」と言われたのだ。
……別に、寂しくなんかないよ?鬱陶しいくらい私に懐いてたくせに私のこと忘れてるなんて…ちょっと寂し…あ、いや、寂しくなんかないからね。
その日以来、リンクとは会ってない。会ってもあっちが覚えてないから虚しくなるだけだし、私が手助けしなくてもリンクならやっていけるだろう。
なんてぼーっと考えながら歩いていると、リザルフォスが私に向かって刃を振り下ろしていた。全然気づかなかった、まぁいっか。と当たろうとしていると、リザルフォスが吹っ飛んでいった。そして、リザルフォスの体が霧散していく。つまり、倒されたのだ。誰かに。反対方向を見てみると、そこにいたのは、リンクだった。こちらに走って来たようで、少し息切れしている。手に矢を持っていることから、矢でリザルフォスを倒したのだろう。

「大丈夫!?」
「あ、えっと、うん。ありがとう」

リンクが近くに駆け寄って来た。
私は人造人間だから、もしあの刃が当たっていたとしても大丈夫だ。だから、例え家族だとしてもこうやって守ってもらったりしたことがない。だから、どう反応したらいいかわからなくなる。リンクは100年前からそうだ。私のことを庇ったり、守ってくれる。なんだか人間と同じ扱いを受けているようで、でも大切にされているようで。人造人間の私は戸惑うしかなかった。

「よかった……あの、この前はごめん。ちゃんと、思い出したんだ、全部」

リンクが、申し訳なさそうな表情で謝ってきた。思い出した?私のことを?

「え、本当に?」
「うん。俺……一番忘れちゃいけない人忘れてた。本当にごめん。……でさ、覚えてる?100年前俺が言ったこと」

なんだか、こいつお喋りになったな。と、思いつつ聞かれたことについて考える。リンクが言ったこと?なんだろう。なんか色々言われすぎてわからない。

「ガノン討伐が終わったら、結婚しようって話」
「え、断ったよね?」
「今度こそ倒してくるから!結婚しよう!」

全力で断った。







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