2013/12/28 17:55


「どーんっ」
突如、その可愛らしい声を引き金に視界が真っ暗になった。
「うわあっ!?」
思わずすっとんきょうな声をあげてしまった。
「…七海…か…?」
「……うん、正解だよー」
「はあー、びっくりしたあ…」
「それは俺の台詞だよ!!どうしたんだ?急に」
「…やっぱりリアルは予想がつかないなあ…」
「リアル、か」
「やっぱりまだ馴れないか?」
「……うーん。今ね、恋愛シミュレーションに挑戦してて、こんなシチュがあるんだけど…これをされた主人公の心情がよくわからなくて、どんな感じなのかなーって思って。」
よくわからないけど、やられる側なのに逆にやってどうすんだよ…
「それで主人公の心情は分かったか?」
「…うーん…五分五分。」
そりゃ逆だからな…!
「でもね、最近日向くんだけは触れる様になったんだ。」
「おお!よかったな、まず第一歩を踏めたじゃないか」
「…そうかな?」
「でもおかしいなあ…分かると思ったんだけど…」
「…七海、それはされなきゃわからないと思うぞ?」
「……」
「……………あ、そっか」
「…よし、じゃあ日向くん、よろしくお願いします!」
「俺がやるのか…」
「うん。いやだった?」
「や、いやではないぞ!ただな、七海、こういうのはドッキリでやるんだ。前もって知ってるとそんなに驚かないし、面白みがないぞ?」
「…ふーん?じゃあ、後でやってもらおうかな」
結局やることには変わりないんだな…!

「…あ、日向くんあと一ついいかな?」
「ん?ああ」
「おりゃ」日向くんの胸グワシ
「ひっ!!?」
「…お、おい七海ぃ…なに…ッやってんだよ…」
「見てのとおりだよ?…ふむふむ、なるほど」「…また…これもなんかのシチュエーションなのか…?」
「…うん。今度は主人公が出会い頭に攻略メンバーの一人に胸を触られるシチュだよ。」
「なんかお前がやってるゲーム心配になってきたぞ…」
「ごくごく普通の乙女ゲーだよ?」
普通なのか…!?
「…うーん、胸囲は分からなかったなあ」
「は!?胸囲!?」
「…ゲームだと、その人が触ると胸囲が分かっちゃうんだけど…皆出来ることじゃないの?」
「あ、ああ…普通は出来ないと思うぞ…?少なくとも俺は出来ないからな?」
というかそんなキャラ設定は嫌だな…!
「…そうなんだ…」
「…ただ…あいつは出来るけどな…」
「おーい狛枝、いるんだろ?」
草むらが音をたてる
「…野生の狛枝くんが飛び出してきた!!…かな」
「呼んだ?」
「やっぱりそこにいたか…」
「あーもう、葉っぱついてるぞ」
髪の毛の葉っぱとる
「はあ?予備学科の分際でボクに触るなんてやめてくれるかな?」
いいながら抱きつく
「これだから予備学科はさあー」
「はいはい。」
「………なんで狛枝くんがあそこにいたのかな?」
「…そんなことキミには関係ある?」
「……関係なきゃだめなの?」
「狛枝ー、重いぞ」
「日向クンって見かけによらずひ弱なんだね?体型はごく普通なのにさ、」
胸グワシ
「ッ!?…やめ…ろよ……」
「そんな事言われなくてもやめるよ」
離して、七海の方へいく
「日向クンの胸囲は91。男子高校生の平均をちょっと上回るくらいかな」
七海の事を見る
「……」
日向くんなんて言ったか聞こえない
「さ、日向クン、行くよ」
「はあ?ちょっ、待てって…!!」

「あのさぁ、」
いん図書館
「なあ狛枝、…ちょっと退いてくれないか」
そして壁どんである
「ねえ、これからボク話そうとしてるんだけど?遮らないでもらえるかな」
「…ああ言えばこういう」
「何か言った?」
「…いーいえ」
「何七海サンと話してたのかな?」
「は?お前いたじゃないか。聞いてなかったのか?」
「いいから」
「…ゲームの事を話していたんだ。」
「ゲームの話でなんで胸触ったり目隠しされてたの?」
「ゲームの中でそんなシチュエーションがあるって言ってたんだよ。その気持ちがよくわからないって言うから俺で試してもらってたんだよ」
「…ふーん。」
「はい、これで満足か?」
「…いや、まだダメ。生憎ボクは会話がよく聞こえなかったんだよね。」
「ねえ、ボクたち友達だよね?」
「俺の知ってる友達とはちょっと違うけどな。まあ友達だな」
「…ほんッと日向クンって…」
鈍いよね、と口の中だけで呟いたあと突然のきす
「んっ!?…っふ…ぁ…」
狛枝の背中ばんばん叩く
すると図書館のドアが開く!!
やっと口離す
「……何してるの?狛枝くん」
「んっ七海!!」
「…やあ七海さん、また会ったね?」
二人の間に見えるはずのない火花が見える。
ひょっとして、これって。
修羅場ってやつ?



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