天化にゃんの大冒険!




俺っちの名前は黄天化!黄飛虎のじにゃんってトコかにゃ!オヤジはベンガル、かあちゃんはマンチカン。受け継いだ強い身体に真っ黒毛皮、そいつが俺っちの自慢さ。
そんな俺っちのこと、皆は“天化にゃん”って呼ぶさ!
なんでも、西岐城には俺っちと同じ“黄天化”って人間がいるんだと。なんだぁ?まねっ子したな!卑怯なヤツがいたもんさー!


今日は秋の匂いがする日だな。
西岐城から伸びる裏道を抜けて(この裏道を見つけて作ったのは王サマ、姫発にゃんさ)、裏の大草原をたんけんしたさ!大草原を走りゃー、金木犀のオレンジ絨毯!
ひゃーー!俺っちはコイツが大好きさ!年に一度しか会えないコイツ、また会えたな!
スライディングで蹴散らして、腹の下が金木犀だらけ!ゴロゴロ気持ちよくて裏返ったら、背中も金木犀だらけさ!あとで舐めとかなくっちゃ、かあちゃんに怒られちまう。「綺麗にしなければ、人間に居場所がバレてしまいますよ」ってな。いつも言われるんだけど、俺っちは身体の舐めるのが下手くそなんさ…。

でも金木犀の絨毯の上でゴロゴロ昼寝、いいきもち!俺っちの喉もゴロゴロ、お天道サマはカンカン、風はソヨソヨ。いーいきもちさぁ……。このまま寝るべ、おやすみなさいさー……

そんなときさ。
「だっ、誰さ!?」
いきなり背中に乗っかって腰振られた!ちくしょう、――王サマめ!

「やめろっ!」
「やだやだ!やめねぇ!天化にゃーん!だいすき!」
「うるせぇっ!」
「天化にゃーん!かわいい!」
「っ、やー…にゃ…ぁあ〜」

王サマはなんでこんなに腰振るのが好きなのか知らねぇけど、会えば毎日俺っちの上で腰振るのが日課さ。それは大人の男がメスにすることなんだから(ってオヤジが言ってた)、仔猫の俺っちたちには関係ねぇのになぁ。不思議さー。
「天化にゃー…ん…」
「はつぅー…にゃー」
なんだか不思議で、俺っちまで腰がゆらゆら、しっぽがむずむず、いいきもちになってきちまうから、妙に悔しくって王サマにマウント決めてやったさ!ほーぅら、俺っちの方が強いっしょ!
吹っ飛んだ王サマは、それでも喉をゴロゴロ言わせてたからヘンな人さ!…嫌いじゃねぇけど。

日が暮れてきてかあちゃんのおっぱいが恋しくなったから、そろそろ帰るな。かあちゃんのおっぱいは金木犀よりいいにおいで、俺っち大好きさ!
おっぱい飲むと口の周りがおっぱいでガビガビになっちまうから、かあちゃんが舐めて綺麗にしてくれるさ。くすぐったくって、ちょっと恥ずかしい。

でも気持ちがいいから、いつか王サマにもやってやろう。いつも驚かされる仕返しさーー!
じゃあな、皆!また明日!
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