はなむけ




両手で包んだミニブーケ。ラッピングの淡い桃色に目が眩む。いっそこのまま電車で悪酔いしたい。そのまま飲みに行きたい位だ。

「…ちくしょー仕事になんねぇじゃん。」

見詰めれば垂れた頭が目に浮かぶ。似合わないのに、笑ったらきっとひまわりみたいなんだろう。

「あ゙ー!ジジイに渡すにしちゃーもったいねぇよな…ダメか…」

呟いたスーツの彼。めでたい脳と責任転嫁に恋煩い。

電車に揺られる間中、白い右手の中でスマートフォンが検索に走った。探し当てた花の名前と花言葉。足元の水はとっくに乾いていて、今は喉が渇く程に熱い。

キキョウはやさしい愛情、誠実、変わらぬ愛、従順。
赤い薔薇は愛、恋、無垢、恥じらい。
白い薔薇は純潔、少女時代、私は貴方にふさわしい。

キワメツケのカスミソウ。
清らかな愛、幸福。

「マジかよ…ええー、マジで…」

帰りに寄ってOKしよう。
とんでもない勘違いが動き出した月曜日。


end.
もしリクエストがあったら続きま、す…!こんなお馬鹿アリでしょうか?花畑なのは私の頭。
キキョウは古くからの中国原産です。
2010/11/05
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