-January-




妙な空気のまま新学期が来て、王サマは「姫始めしたい!」とわめき散らした。
相当な音量で暴れるから(しかも教室)後頭部ぶっ飛ばしたけど、前みたいに「頭おかしい」とは、もう思えなかった。
そのあとしばらく、韋護が「姫発が姫始め」ってうるさかったさ。

訂正。朝自習の教卓から俺っちに向かってゴム投げやがった王サマは、やっぱ頭が最悪だった。特大サイズってなにさ、嫌味かい!

けど、俺っちは相変わらず王サマとエッチなことをしたいらしい。
自分でもどうしていいかわからないのに、王サマとなんてどうしたらいいのさ!!
王サマは、それのやり方を知ってんだろうな。なんか悔しい。誰かとして知ってんだろーか。

急に王サマが学校を休んだ次の日、俺っちも9度の熱が出た。
ありゃりゃ、うへー、インフルエンザを半分こしたみてぇ……。

こないだ王サマ発案のディープキスをしてみたからうつったんか?あれは、すっげぇドキドキとわくわくと、いたずらしてるみてぇな気分がいっしょくたに沸いてくる。うん、結構好きさ──なんてぐるぐる考えてたら、ひっかぶった保健室の布団の下でズボンが膨らんでて、情けなくって声が出なくなった。
だーもう!男は熱あっても勃つらしいさ…アホも色魔もうつったんか、俺っち…。
この日は早退してダレ組決定。ちくしょう、俺っちの皆勤が!
(後からインフルエンザは出席停止だから欠席にはならねぇって聞いた。でも嫌なモンは嫌だかんなぁ…)
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