-December-




クリスマスは空けとけって王サマに言われたけど、俺っちは毎年家族で寿司とチキンとケーキを食う日さ!

王サマはまた怒ってたけど、最後の方少し笑ってた(ちなみに電話。ようやく番号入れたから)

寒い街を二人で歩く日が増えて、コートの下で手を繋ぐ。王サマは指が冷えやすいらしくて、俺っちのあったけぇ指が好きだって言ってた。

夜は家族と寿司。昼間は王サマと街。

別れ際に、まっすぐ目を見て「聖夜に天化が欲しい」って言われて、俺っちの時間は止まった。耳が寒さでイカれたんかと思ったさ。きっと、王サマの目がすっげー好きなんだ。

王サマが最近そーゆーコトを言わなかったのは、それでなんだろうかとか、今すぐ頷いて歩き出したいとか、頭の中がぐちゃぐちゃ汚いまま、迎えに来た親父の軽トラに拉致られちまった。


王サマは、真っ赤になって震えていた。
身体の芯が、木枯らしの中のツリーみたいに頼りなくって切なかった。
[ 9/13 ]
  



短編目次へ


[TOP 地図 連載 短編 off 日記 ]
- 発 天 途 上 郷 -



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -