決意の理由 





なぁ、知ってっかよ。俺の最初の決意の日。



伯邑考あんちゃんが死んだ。おやじももうすぐ……なんだろうな。旦はまぁ、あいつだけは相変わらず。
それでも俺は俺!

そこそこ遊んで暮らせりゃいーか!俺の人生だ!楽しく生きてなにが悪ぃ!
周り見りゃ町の仲間がいる。プリンちゃんがいる。豊邑は食べ物も文句ねぇ。

元々伯邑考あんちゃんが継ぐ筈の位だ。それが急に俺の番って言われて「はい、そーですか」で納得出来るかよ。それに楽しむこと以外じゃ富や権力に憧れもこだわりもない。俺は俺。

"王"になりたい訳じゃねぇ。けど、ならないとも言ってねぇ。
いつか継がなきゃならない現実があるってことはわかってる。

なのに時間は止まらない。

おやじが死んだって、悲しむ時間は残らなかった。
「任せとけよ」
そう言った。確かに俺はそう言った。
それでも最後の最後でどっかで前に進めねぇ俺には、……きっと俺の"理由"が足りないからだ。
これじゃ親父に面目立たねぇよ。
わかってる…わかっちゃいるけどやりきれねぇ…!

ましてや仙道がどーのこーの、んならそこは仙人様がぱーっとやってくれりゃいいじゃねぇか!
ちくしょう!


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