あの銅鑼を鳴らすのはあーた(*)(発天/韋護楊)
2013/10/23 17:10 [小ネタ/会話]

どことなく純情な君はもういない続き


「後学の為に君に訊きたいんだ。ほら、僕ほどの美貌と変化の腕をもってすれば房中術を使って紂王に取り入ることもあり得ないとも言えないだろう?」
「あー…いや、それはちっと無茶な」
「言えないよね?」
「はいはい、そんで?(相変わらずわかり易いさ楊ゼンさん)」
「うん…まぁ…あまり君に恥をかかせる訳にもいかないからみなまで言うよ…!ぜ…っ…」
「ぜ?」
「ぜっ…!……っ、ちょう、って……どんな感覚なのかなと」
「ぜっち」
「わあああ絶頂は絶頂だよ性交時における女役が受ける絶頂感がどんな感じかって訊いてるんだよ君も話が通じないな天化くん!!!この僕に何度も恥をかかせないでくれるかい!?絶頂期の感覚を訊いてるんだよ恥ずかしい!」
「…あーたが勝手に言ってんだけど…うん、まあ、あれさ、すげぇ。」
「……それじゃわからない。」
「銅鑼が鳴る感じさ」
「ああ、よく言う"頭の中でこの世の全ての音が鳴る"だとか、そんなかん、」
「ちげぇ。なんつーか、三里遠くから銅鑼が鳴る。」
「じ…え?え?」
「三里に響く銅鑼があるっしょ?ソイツがさ、最後の最後で王サマがゴリッてきた瞬間に三里遠くからごわんごわん鳴りながら走ってくるさ」
「う、うん…」
「で、うー、ごわんごわんごいんごいんぐわああああーんんん!で、気付いたらソイツが俺っちのケツの正体だった。わああああ!!戦の始まりさあああ!!違う、違っ…やっぱ終わりだったさあああうわあああ!!──って、こんな感じさ」
「うん?え?」
「だから遠くで鳴ってたあの銅鑼を鳴らしてんのが王サマで、あの銅鑼ってのが俺っちのケツだって」
「えー………と、じゃあ……銅鑼に変化すればわかる感覚かい?」
「そいつはちげぇ。ケツタブが銅鑼なんじゃなくて、ケツの中身だけ銅鑼に部分変化さ!中身は中身でアナ空いてる感覚は同じままで皮膚だけ銅鑼!」
「そんな馬鹿なっ…わかりっこないよそんな感覚!」
「わかるさ!だからケツが銅鑼で、最終的に自分も銅鑼全体になっちまう感じさ!!」
「もっとわからないじゃないか!虎とバターかい君は!」
「そしたら頭の中で渡り鳥が百羽纏めて三途の河っつか海の向こうに一斉に飛ぶ。初日の出もくるさ、めでたい感じかね。下手すりゃバターにだってなるさ」
「ちょ、余計にわからないよ!君本当にイってるのかい?違う世界に行ってるんじゃないの天化くん…」
「だから言ってるっしょ!すでに違う世界まで渡り鳥と初日の出に乗っかって渡ってく感じさ!!バターが海で気付いたら寝台も海!」
「さっきと言ってることが違うよ!」
「っあーもうあーたもわかんねぇ人だな楊ゼンさん!」
「大概失礼だな天化くんも!君の感覚がおかしいんだ!美的センスを疑うね!!」
「楊ゼンさんもなってみりゃわかるさ!さっさと韋護にケツ供えて出してこい!!」
「な──ッ!!」


……
………


「……天化くん…」
「うん?」
「…………昨日…確かに銅鑼が鳴った…銅鑼になったよ僕も…」
「へへっ!こりゃ赤飯炊くべ楊ゼンさん」

  
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