「天化くんに折り入って相談があるんだ」
「なにさ楊ゼンさん、マジな顔して」
「この会話の内容は、厳重に保護されて尊重される義務と権利があるんだ。誰にも言わないと約束してくれるかい?」
「ああ、口は固ぇさ!(だって言いふらすの面倒くせぇ)」
「……君に、女役の心構えを訊きたいんだ」
「……うん?」
「女役の心構え。…君にも長年アドバイスしたからわかるだろうけど──僕は百戦錬磨を自負するし実際それは揺るがない事実と自信だ。けど、それは男として。で、だからその…そ、」
「ああー韋護かい」
「違うよ!女性心理の勉強を!変化の為にっ…」
「面倒くせぇさー蝉玉な訊いて欲しいさ」
「ダメなんだ君じゃないと!!」
「だから韋護っしょ?」
「…………」
「うん、まぁ…」
「…早く答えてよ、僕には残された時間がない」
「韋護のフロはぇーかんなぁ、だから臭ぇんか」
「頼む天化くん!!自分をさらけ出して脚を開いて差し出すなんて僕にはとてもじゃないけど出来ない!!でも任務遂行まで時間がないんだ!」
「……そんなに言うなら決意は固ぇんだな。なら、黙ってケツを出しゃいいさ。」
「…………ん?はっ…?」
「ケツはケツさ。自分で脚開くのが無理なのは俺っちも通った道だかんね。黙って上に乗っかるか、そうじゃなきゃ枕抱いてケツ上げてりゃいいさ。問題ない。」
「……余計難易度が上がった気がする」
「大丈夫さ。アンタほどの使い手なら、枕に頼らなくても声は殺せるし。それでもプライドが許さねぇってなら、韋護の目と腕縛っといて乗っかりゃいいさ」
「……たぶん、彼には見えるんだよね、肌でわかると言うか…」
「(やっぱ韋護なんだな)適度に酒飲ましゃー記憶が飛ぶさ。そしたら酔ったフリして口と目と腕塞いで乗っかる。奇襲も実力のウチさ」
「また難易度が上がってるけど僕はそこまで言ってないよ」
「アンタに乱暴はたらくようなら、足の裏かケツかタマの裏撫でてやればいいさ。ひっくり返って大人しくなっから。耳の裏もさ。猫の顎や腹を構うのと変わらねぇ」
「……僕はそこまで言ってない…」
「あと、あれさ。最後の手段でデカくなった王サマってのは勝てねぇって相場決まってっから」
「人のセリフ掴まえてなんて改悪を!」
「アイツが終わりそうなのに楊ゼンさんがもうちょいっ…ってときは、一回身ィ起こしてキスしてやるといいさ。クールダウンさせると持つかんね。ちょろっとちっさくなるかも知んねぇけど、すぐまた復活するから心配ないさ」
「出来る気がしない……と言うか勝てる気がしない、君に」
「なに言ってるさ!楊ゼンさんが弱気じゃ士気も下がっちまう!」
「ねぇ、僕が耳にかかるバンダナを整えてあげるだけで真っ赤になってた天化くんの少年時代は何処に行ったんだろう……」
「もうどっかのバカにくれてやったさ。へへっ!」
「ああ……」
ああ………