少年Kの受難 | ナノ

話をまとめるとこうだ。
剣城が女子から告白された上に彼女の有無を問われているところを目撃してしまい気になって夜も眠れない、と。


「てことだろ?」
「べつに寝れてますってか今日の話だし」
「面倒くさいことに変わりはない。」
「俺だってこんな話したくなかったですよ!」


でもこんな話倉間先輩以外できない云々とぶつくさ言っている狩屋は、きっとこちらが気になって仕方ないといった様子の剣城に気づいていないのだろう。ちらちらこっち見んな、バレバレなんだよ。


「どう思います?」
「どうって?」
「いや、だから…なんて返事したと思います?」
「知らねーよ本人に聞けよ」
「聞けたら先輩にこんな話しませんよ!」


こういうの、女子が悩んでたらさぞ可愛いことだろう。男が悩んでたとしても、まあ話くらいは聞く。しかし両方男の場合は別だ。俺はホモの相談役になった覚えはない。

そもそもこの後輩は何に悩んでいるんだ。たしかに剣城も公に彼女とは言えないだろうが。


「そりゃ振ったんじゃねーの、カノジョいるんだし。」
「えっ剣城くん彼女いんの!?」
「お前だろーが!」
「はあ?なんで俺……あっ」
「おいちょっと待て」


なんだその反応は。なんだそのやっべーみたいな顔は。めちゃくちゃ目が泳いでるぞこっち見ろ。


「なんかすげー嫌な予感するんだが」
「…………」
「おいまさかそれはないよな?なあ?」
「…………」
「…一応聞くが、お前ら付き合ってないの?」
「…………………はい。」


観念したように言った狩屋の言葉に、俺は全力で引いた。


「まじか?お前らまじか?付き合ってねーのにそれなの?それで付き合ってねーの?うっわまじか逆に引くわ。」
「俺が1番分かってるんでそんな露骨に引かないでください!」


両手で顔を覆って嘆く狩屋と、頭を抱える俺。休憩中のコートの隅っこが阿鼻叫喚の巷と化した。





少年Kの受難


150919


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