少年Kの考察 | ナノ

結論から言えば、剣城と狩屋は付き合っている。と俺は考える。


俺の属する雷門中サッカー部の後輩に剣城京介と狩屋マサキという一年生がいる。それぞれ元フィフスセクターだったり、頭にクソが付くほど生意気だったりするが、もう今となってはどうでも良いことである。いや、特に後者はどうでも良くはないのだが、今は置いておきたいと思う。そしてこの二人の距離感が最近どうもおかしいのだ。


何がどうおかしいのか、と聞かれると言葉に迷うのだが、雰囲気というか、何かがおかしいのである。転校生だった狩屋がサッカー部に入部して、他の部員と仲良く談笑する姿(いや、からかっている姿と言うべきか)をみることはあっても、剣城と一緒にいる姿をみたことはなかった。しばらくして剣城も狩屋も丸くなり、部員達とどんどん仲良くなった。一年生だけで遊びに行ったり、剣城の兄の見舞いに行ったという話も聞いたことがある。二人が部員達と打ち解けていくことはチームワークが大切なサッカー部としても良いことだと思うのだが、ある日を境に剣城と狩屋の距離感が著しく縮まった気がした。


ただの勘違いであろうと目を背け続けたが、そろそろ限界である。剣城、何故狩屋の頭を撫でる。狩屋、剣城の手を振り払うまでは良かった、最後照れなければ完璧だったな。狩屋仕返しとかもういいから、まじで。剣城お前狩屋で身長差がどうとか、ぶっとばすぞ。ぶっとばすぞ。おいこら天馬も混ざるな。ほら適当にあしらわれた上二人の空気がちょっとピンクになった。練習しろ。


やっぱり付き合っているよな?あれ。確実に付き合っているよな?ホモだよな?大きくため息をついた俺の気持ちを理解してくれる人がこの天然とアホしかいない雷門イレブンにいるだろうか。いや、いない。


「お前らまじいい加減にしろ胃が痛い」
「…大丈夫すか?」
「それボクらにカンケーなくないですか〜?」
「学校で致したり絶対すんなよホモカップルが」
「「ハアッ!?」」


その時の二人の滑稽な顔については俺が言わなくてももうお分かり頂けるだろう。何も笑えねえけど。





少年Kの考察


140825


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